日本共産党

2003年6月7日(土)「しんぶん赤旗」

井上ひさし、神山征二郎さんら講演

国立大法人化を批判

東京大学


 国立大学法人法案が国会の参院審議でヤマ場を迎えている六日、東京大学の教員有志が「国立大学の法人化を考える夕べ」を同大学の安田講堂で開きました。全国から大学教職員や学生ら約二百人が参加しました。

 第一部では、作家の井上ひさし、映画監督の神山征二郎、海洋サイエンティストの河井智康、元東大副学長の小林正彦の各氏がそれぞれ講演し、国立大学法人法案を多角的に批判しました。

 井上氏は、戦争中の陸軍が東大に兵隊を置こうとした計画を大学側が断固としてはねのけた例をのべ、法人法案反対のたたかいを励ましました。

 「法案の衆院通過でもう駄目だと思っていた」と切り出した小林氏は、参院の審議を傍聴して「痛快な議論が起きている。ひょっとしたら(阻止できるかも)と思う」とのべました。

 日本共産党の林紀子、畑野君枝両参院議員があいさつ。「文科大臣は追いつめられている。国立大学の原点が問われるこの問題をみなさんと考えていきたい」(畑野議員)とのべると大きな拍手が寄せられました。

 第二部では、大学のあるべき姿をめぐって討論。植田健男(名古屋大学)、世取山洋介(新潟大学)、義江彰夫(東京大学)、浦辺徹郎(東京大学)、小林正彦の五氏が出席。「教育基本法改正の動きは、人権教育から国策遂行へと移しかえ、教育政策に権力を集中させるもの。このポイントの上に、金の支配力で大学を国に従属させる法人化がある」(世取山氏)など、教育基本法改正の動きと呼応する法人法案の問題点を明らかにしました。第三部では、大学人の活動の取り組みなどについて活発な議論が交わされました。


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