日本共産党

2003年5月21日(水)「しんぶん赤旗」

村上元労相に実刑

KSD事件

自民買収の案内役


 「政党政治の根幹」である代表質問。地位や立場を利用した同僚議員への「勧誘説得」−−。二十日の東京地裁判決。KSD事件で受託収賄罪に問われた元労相の村上正邦被告(70)が約七千三百万円のわいろでおこなったと認定された「職務行為」です。判決は、KSDがねらった自民党の丸ごと買収の“案内役”を同被告がになっていたことを明確に示すもので、自民党はいわば背後の“被告”ともいう位置にあります。

代表質問のワイロ認定

 村上被告の代表質問は、KSD側の働きかけを受けたもの。判決は代表質問が「まさに政党政治の根幹をなす」とし、とくに「与党による代表質問は、事前に執行部会の了解を得ているなど、与党内のコンセンサスを背景とするもの」と指摘しました。

 また、国会議員が「その地位や立場を利用して」「同僚議員にそのような質疑や意見陳述等を行うよう勧誘説得することは重要な職務行為」と認定しました。

 この二つの行為でわいろを得たのです。

 村上被告は、KSDが推進していた職人大学設置の議員連盟(KGS議員連盟)会長。「村上個人の活動はもとより、同議員連盟に所属する国会議員の活動もまた職人大学設置の推進に大きな影響を及ぼした」と判決は指摘しています。

 同事件では議員連盟が大きな役割を果たしました。

 KSDは、職人大学設立のため国際技能振興財団を設立しますが、その推進組織として立ち上げたのがKGS議連。同議連には九十人の自民党議員が設立に参加し、顧問には中曽根元首相、世話人には森前首相らが就任しました。

 国会では村上被告の代表質問のほか、受託収賄容疑で逮捕された元参院議員小山孝雄被告、岡野裕元労相、深谷隆司元通産相らが質問・答弁にたつなど、自民党ぐるみで同大学の設立を推進。さらにKGS議連のほか、中小企業政策を推進する国会議員の会、中小企業経営問題議員連盟(豊明議連)も設立、この三つの議員連盟には自民党議員の60%に及ぶ二百二十三人が参加していました。

 村上被告はKGSと豊明議連の二つの会長をつとめるなど、議員連盟を通じて、同僚議員に影響力を発揮しました。また、中小企業政策を推進する国会議員の会の会長には額賀福志郎元経済財政担当相が就任し、KSD側から千五百万円の資金提供を受けたことが発覚しました。

 こうした議員連盟づくりのほか、KSDは推定約二十一億六千万円もの自民党党費立て替え(約五十四万人分、一九九一年−九九年)をおこなっていました。


KSD事件の関係者

 【収賄側】 名 前  (罪  名)  一審判決

 村上正邦元参院議員 (受託収賄) 懲役2年2月、追徴金7288万円(控訴)

 小山孝雄元参院議員 (受託収賄) 懲役1年10月、追徴金約3160万円(控訴)

 中野茂宏元政策秘書 (受託収賄) 懲役1年6月、猶予3年(控訴)

 【贈賄側・KSD(いずれも確定)】

 古関忠男元理事長  (贈賄、背任、業務上横領) 懲役3年、猶予5年

 中村勝彦関連団体幹部 (贈  賄) 懲役1年6月、猶予4年

 古関公康元専務理事 (背  任) 懲役1年6月、猶予3年

 山田博資元常務理事 (背任、業横) 懲役1年6月、猶予4年

KSD事件とは

 東京地検特捜部は二○○○年十月、財団法人「ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団」(KSD)をめぐる不明朗経理問題で強制捜査に着手し、古関忠男元理事長らを業務上横領容疑などで摘発。さらに、元理事長側から、ものつくり大学の設置などに関して有利な国会質問を行うよう依頼され、わいろを受領したとして、村上正邦、小山孝雄両元参院議員が受託収賄罪に問われました。贈賄側の元理事長ら四人は一審で執行猶予付きの有罪が確定。小山元議員は懲役一年十月の実刑判決を受け、控訴。自民党費の肩代わりや、関連議連に自民党国会議員を多数組織し、自民党丸ごと買収を狙いました。

丸ごと汚染

 元KSD豊明会川越副支部長の伊藤勝水さんの話 KSD事件は村上正邦元参院議員だけの問題ではありません。1998年2月に東京ドームで開かれた中小企業総決起大会に参加しましたが、大会には橋本龍太郎元首相はじめ自民党有力者がいっぱいきていました。なのに幹部は知らんぷりですよ。

 KSDがやっていたことは政党の丸ごと“買収”です。「幽霊党員」によるKSDの自民党党費立て替え額は推定20億円ほどになります。その党費について自民党はいまだにきちっと返還もしていないと聞いています。また公明党の「公明新聞」にも広告費756万円がいっていました。

 自分の問題を解明できない政党の姿勢が問われると思いますよ。


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