日本共産党

2003年5月4日(日)「しんぶん赤旗」

反戦貫くカントリーグループ

脅迫に屈せず全米ツアー


 米英軍のイラク侵攻前にブッシュ大統領を批判した米国の人気カントリー・グループ「ディクシー・チックス」が一日、サウスカロライナ州でコンサートを開き全米ツアーを開始しました。日本のレコード大賞にあたるグラミー賞で今年、四部門を受賞、飛ぶ鳥を落とす勢いの女性三人組ですが、一方でその反戦的言動が国民の一部から猛反発を招いています。

 グリーンビルで開かれた一日のコンサートは一万五千の前売り券が売り切れるなど盛況でした。しかし、会場外では小規模ながら抗議デモがおこなわれ、近くでは反ディクシーのコンサートもおこなわれました。

 「ディクシー」は米南部諸州の意味。自らもブッシュ大統領と同じテキサス出身のディクシー・チックスは、三月に英ロンドンで開いたコンサートで、リード・ボーカリストのメインズさんが「米大統領が(私たちと同じ)テキサス州出身で恥ずかしい」とのべ、戦争に突き進むブッシュ大統領を批判しました。

 この発言に激怒した米国内のラジオ局が同グループのボイコット活動を呼びかけ。一部ラジオ局はディクシーの曲を流すのをやめるなど呼応したため、好調なセールスを続けてきたアルバム「ホーム」も売り上げが落ち込みました。

 メインズさんはその後、大統領に謝罪するコメントを発表しましたが、戦争については、それを避ける「すべての可能性を追求すること」を主張し、反戦の意思を貫きました。

 ヒステリックでゆがんだ愛国心によるディクシー・バッシングはその後も後を絶たず、最近発売された芸能雑誌のインタビューなどで、メンバーは自分たちだけでなく家族まで脅迫を受けていることを明らかにしています。(ワシントンで遠藤誠二)


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