日本共産党

2003年3月1日(土)「しんぶん赤旗」

いまの被災者生活再建支援法はどんな限界が?


 〈問い〉 被災者生活再建支援法の見直し時期が近づいていますが、現行法にはどんな限界がありますか。

 (東京・一読者)

 〈答え〉 一九九五年の阪神・淡路大震災をきっかけとして、九八年五月に被災者生活再建支援法が制定されてから、まもなく五年となります。この法律は当初から多くの不十分さが批判され、国会付帯決議で、法施行(九八年十一月)後五年をめどに「総合的な検討」などを行い、見直すことが盛り込まれました。今年はその年です。

 支援法は、▽市町村で全壊十世帯以上▽都道府県で全壊百世帯以上−などの自然災害に適用し、支給条件を満たす被災世帯に最高百万円までの支援金を支給するものです。支援金は都道府県の拠出による基金から出され、国は基金が支給した支援金額の二分の一を補助します。

 法施行後、有珠山や三宅島の噴火、東海豪雨、鳥取西部地震などに適用されましたが、支援金支給をうけたのは被災者のごく一部です。内閣府の資料では、法適用自治体の全・半壊世帯は一万一千を超えますが、支援金支給世帯は二千六百にも届きません。全壊かやむなく解体を余儀なくされた半壊世帯で、世帯主が四十五歳未満なら世帯収入五百万円以下−などの厳しい制限があるためです。上限百万円の支給額も、被災者の生活再建には不十分であるうえ、使途も限られています。

 このため地震の被害を受けた鳥取県では独自に住宅再建支援にのりだし、所得制限なしで最高三百万円を一律に支給しました。被災者の生活再建と住宅再建に国が責任を持つことが求められています。

 日本共産党は▽災害や収入などの制限がなく、原則としてすべての被災者を支援▽生活再建支援金の上限を五百万円とし、上限五百万円の住宅再建支援金を新設▽国の責任を明記し、全額国庫負担−などを盛り込んだ、くらし復興支援立法を二〇〇一年一月に提案し、関連法案も提出しました。

 (水)

 〔2003・3・1(土)〕


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