日本共産党

2003年2月20日(木)「しんぶん赤旗」

小林多喜二を虐殺した「特高警察」とは?


 〈問い〉 小林多喜二の虐殺などにかかわった「特高警察」とはどんな組織ですか。(大阪・一読者)

 〈答え〉 「特高警察」とは特別高等警察の略称で、戦前の天皇制警察のなかで、日本共産党などの弾圧を専門の任務とした組織です。

 天皇制警察はもともと、国民の政治活動を監視・弾圧する部門を「高等警察」と呼んで重視してきました。しかし二十世紀になると、日本でも社会主義運動や労働運動が広がり始めたため、警察は従来からある「高等警察」の機構を強化し、社会主義者などの弾圧を専門とする「特別高等警察」の組織をつくりはじめます。一九一一年、警視庁内の高等課から分離して新設された「特別高等課」は、このようにして生まれた特高警察組織の最初の現れとされています。

 二二年に日本共産党が創設されると、特高警察の組織強化が加速され、二八年七月までに全国の道府県に特別高等課が設置されました。内務省の警保局保安課が頂点となり、地方の警察署におかれた特高係などを通じて全国にスパイなどの情報網をはりめぐらせました。

 天皇制政府は一九二五年に制定された治安維持法などを適用し特高警察による日本共産党への無法な弾圧を続けました。容疑者を逮捕して拷問を加え、裏切りやスパイを強要し、多くの党員・支持者を虐殺しました。日本共産党員で作家の小林多喜二も犠牲者の一人で、三三年二月二十日に逮捕され、東京・築地署で七時間後に絶命しています。

 特高警察は侵略戦争の拡大と呼応し、“自由主義思想も共産主義の「温床」になる”“天皇中心の「国体」とあいいれない「邪宗」を取り締まる”などの口実で共産党と無関係な団体や個人、宗教団体なども弾圧し、国民の疑問や反戦・厭戦(えんせん)感情などを封じて、戦争体制の一翼を担いました。終戦後の四五年十月、GHQ(連合国総司令部)の指令によって廃止されました。

 (

 〔2003・2・20(木)〕


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp