2003年2月5日(水)「しんぶん赤旗」
全国大学高専教職員組合(糟谷憲一委員長)は四日、文部科学省が国立大学協会の委員会に一月三十一日提示した「国立大学法人法案の概要」について、そのもとで法人化がすすめば、「学問の自由と大学自治を保障する制度上の枠組みを著しく弱体化させ、人類と地域社会、国民に取り返しのつかない深刻な悪影響を招きかねない」もので、到底容認できないとする中央執行委員会声明を発表しました。
声明は、概要が、教学と経営の分離への危険がある組織構成を提案しているが、経営を優先し教学をこれに従属させる大学運営がおこなわれる恐れにたいして明確な歯止めをもっていないと指摘。学長選考への大学構成員の参画を大幅に制限する一方、「学長選考会議」の半数を学外者が占めるのは、きわめて問題であると批判しています。
文部科学大臣が大学の中期目標を定め、中期計画を認可するとともに、大学の業績評価をする「国立大学法人評価委員会」を置くとしているのは、政府・文部科学省による関与・統制の強化になるとし、学術研究をゆがめる危険性の高い評価と資源配分の直結が特徴である、とのべています。声明は、この問題での国民の理解と支持を広げ、ねばり強いとりくみをすすめる決意を明らかにしています。