しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年3月27日(金)

五輪 酷暑の夏、見直し契機に

 東京五輪の「1年程度の延期」は、健全な大会に近づくきっかけとなるかもしれません。

 今夏開催予定だった東京五輪には、新型コロナウイルスの世界的流行が始まる前から問題視されていたことがあります。それは酷暑です。

 25日、IOCのバッハ会長は開催時期について、「夏に限定せず、幅広く検討する。夏も含めてすべての選択肢がテーブルに載っている」と注目すべき発言をしました。さらに、大会組織委員会の森喜朗会長は「(夏よりも)もっと早くなるかもしれない。結果として真夏を避けられれば、こんなにハッピーなことはない」と言及しています。

 国内の競技団体関係者からも、日程の再検討をいい機会と捉え、夏開催の見直しをすべきとの声が上がっています。

 もともと東京五輪は7月24日~8月9日、パラリンピックは8月25日~9月6日に予定されていました。この時期の東京は35度を超える日も珍しくありません。

 スポーツをすることはもちろん、観戦にも危険が伴うことから、疑問の声は絶えませんでした。

 マラソンと競歩は昨秋、競技会場を東京から札幌に変更する異例の措置が取られましたが、開催時期をずらすという根本的な対策は取られませんでした。

 巨額の放映権料を払う米放送局が、自国スポーツの閑散期にあたる夏の開催を強く要望し、IOCがその意向を優先させていたためです。

 しかし、IOCと組織委員会は新型コロナ問題で、世界の人々の健康と命を感染症から守ることを最優先させた判断を下しました。この非常事態は、大会に関わる全ての団体、人々で乗り越える必要があります。

 新型コロナの感染状況を注視しつつも、米放送局と話し合い、選手らを危険にさらす夏開催を見直すため力を尽くすときです。(宮井貴光)


pageup