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2020年3月25日(水)

主張

「安倍9条改憲」

国民との矛盾は明白 断念せよ

 安倍晋三首相と自民党が固執する9条改憲策動が国民世論との矛盾を広げています。自民党は17日の両院議員総会で決定した2020年の運動方針に、「憲法改正原案の国会発議に向けた環境を整えるべく力を尽くす」と明記したものの、新型コロナウイルスの感染拡大の中で、党内にさえ“慎重論”が出ていると伝えられています。安倍首相は22日の防衛大学校卒業式の訓示で改憲への執念を示しましたが、見通しはありません。国民の声に逆らう「安倍9条改憲」の道理のなさは、いよいよ明らかになっています。

首相の思い通りに進まず

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期された自民党大会に代わって開かれた両院議員総会で、開会あいさつした安倍首相(党総裁)は、「憲法改正を含め、運動方針にのっとって、一致結束して全力を」などと呼びかけました。二階俊博幹事長も「改憲の国会発議に向け環境を整えることが自民党の重要な役目」とのべました。

 運動方針では「新たな時代にふさわしい憲法へ」と憲法問題の独立した項目を設け、9条への自衛隊の明記や緊急事態条項の創設など、改憲についての記述も充実させました。改憲への並々ならぬ意欲を反映したものです。

 さらに首相は防衛大の卒業式の訓示の中で、自衛艦の中東海域への派兵にあたって、「憲法違反」とのプラカードを掲げて抗議した市民の行動を非難し、「(隊員たちが)使命感をもって任務を遂行できる環境をつくっていかなければならない」と、9条改憲への強い執念をあらわにしました。市民の正当な行動を敵視したうえ、それを9条改憲の根拠にすることなど許されません。

 首相がいくら改憲に固執しても、思い通りには進みません。安倍首相が企てた自民党改憲案の国会提示は昨年の臨時国会でもできませんでした。4国会連続で提示ができなかったのは国民の多数が「安倍改憲」に反対しているからです。共同通信が2月中旬に行った世論調査では、安倍政権の下での憲法改正に、「反対」が56・5%と前回1月調査の52・2%に比べても4ポイント以上も増えています。

 それでも首相はあきらめていません。昨年の臨時国会の閉幕直後にも、21年9月までの自らの党総裁としての任期中の改憲を「必ずや私の手で成し遂げたい」と主張し、年頭所感や年頭記者会見など、ことあるごとに改憲の旗を振り続けます。今国会の施政方針演説では、憲法審査会で改憲案を示すのが「国会議員の責任」だなどとのべ、首相に求められる憲法尊重擁護義務も「三権分立」の原則も踏みにじっていることに無反省です。

 しかし新型コロナウイルスへの対策が緊急の課題になっているときに改憲を前面に持ち出すことに、自民党内からも疑問と懸念の声が出ています。首相らは国会の憲法審査会での改憲案の発議を急ぐ姿勢を改め、改憲の企てそのものをきっぱり断念すべきです。

改憲発議反対の世論広げ

 自民党の運動方針は各地での「研修会」開催やパンフレットの配布、ポスター掲示なども盛り込んでおり、あくまで改憲に固執しています。「安倍改憲NO!改憲発議に反対する 緊急署名」を全国の草の根から広げ、安倍政権を包囲することが重要になっています。


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