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2020年3月22日(日)

きょうの潮流

 もしも、いま生きていたら、どんな物語を描いただろうか。人工知能(AI)の技術を使った手塚治虫さんの「新作」が週刊漫画誌に掲載されています▼2030年の東京が舞台。主人公は管理社会に背を向ける記憶をなくしたホームレス。科学とは、未来とは、自由とは―。賛否は別として、AIと人間の共作漫画は手塚作品に流れていた人間の普遍的なテーマに挑んだといいます▼およそ700もの作品を残し、戦後の子どもたちに計り知れない影響を与えた“漫画の神様”。没後30年、生誕90年の昨年は作品を現代風にアレンジしたコミック誌が創刊されるなど、いまもさまざまな形でよみがえっています▼生きることの喜び、大切さ、そして生命の尊さ。テーマに貫いた手塚さんは生前、日本共産党や本紙に共感を寄せてくれました。赤旗記者だった藤原義一さんが最近刊行した『手塚治虫の戦争反対の情熱』で紹介しています▼応援演説では「わたしは戦争がいやでいやでしょうがない。そのために真剣にやってくれるのは共産党だけ。日本の将来、子どもの将来を真剣に考えているのは共産党だから」。猛烈な忙しさにも日曜版に連載していた漫画は特別扱い。「赤旗」のようなまじめな新聞にかかせてもらえるだけでうれしいと▼平和な未来を希求した手塚さん。その思いを、藤原さんは引いています。「たとえ、どんな状況にあっても、明日へ夢につなげていくための活力や理想を育むことがわれわれ大人の責任ではないでしょうか」


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