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2020年3月20日(金)

きょうの潮流

 闇のなかで行われた前代未聞の不正。その舞台となり、手を染めることを強いられた人たちからは驚きと憤りの声が上がったといいます。そこまでやるのか▼安倍首相の妻、昭恵氏らが関与した小学校に国有地が異常な値引きで払い下げられた森友問題。取引の経緯を記した財務省の公文書は改ざんされ、首相夫妻や政治家にかかわる記述は削られていました。誰が何のためにやったのか。それを闇にほうむろうとして▼すべて佐川局長の指示―。無念さのなかで命を絶った近畿財務局職員の妻が国と元理財局長を提訴しました。財務省がいかに無理筋なことを押しつけたか、国民や国会を欺いていたか。公表された職員の手記や遺書が生々しく伝えています▼「謝っても、気が狂うほどの怖さと、辛(つら)さ。こんな人生って何?」。公務員としての矜持(きょうじ)も、誠実な生き方も奪われた絶望。訴えた妻は、いまでも夫のように苦しんでいる人を助けるためにも、すべてを明らかにしてほしいと強く願いながら▼この間の数々の不正の発生元はどこなのか。森友問題は加計や桜疑惑にも通じる、「公」よりも「私」を優先させてきた首相や政権の際立った姿をあらわにしました▼都合の悪いことは隠される。いまのコロナ禍に対する政策や首相の呼びかけに多くの人びとが信頼を置けず、試練に立ち向かう一体感を築けないのも、こうした疑念がいつまでも拭えないからでしょう。公共や国民の命がないがしろにされる政権が居座ることこそ、この国の不幸です。


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