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2020年3月8日(日)

新型コロナ 政権対応

入国制限 混乱に拍車

急きょ帰国 留学生来日できず 産業に打撃

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(写真)中国・上海から到着した人たち=7日、東京・羽田空港

 政府は7日、新型コロナウイルス感染防止対策として中国、韓国からの入国を大幅に制限し始めました。9日以降は、両国からの航空便到着は成田国際空港と関西国際空港に限定されます。入国者には指定する場所で2週間待機するよう要請します。これらの措置により、旅客需要が大きく落ち込むことは必至で、輸出入にかかわる産業にもいっそうの打撃が加わります。留学生が日本にこられなくなるなどの指摘も出ており、社会的な混乱が懸念されています。韓国側もこうした日本側の措置に対抗し、日本との短期滞在ビザ免除措置を9日から停止すると発表。すでに発給されたビザの効力停止や日本との航空便の発着空港も制限します。

羽田空港 戸惑う声

 「2週間も隔離されてはたまらない」

 9日から始まる中国、韓国からの入国者に対する“隔離”措置。東京・羽田空港では、急きょ日本に戻ることを余儀なくされた人たちから戸惑いの声が聞かれました。

 日本企業のソウル駐在員の女性(38)は、夫を現地に残し、小学生の2人の娘と「予定を繰り上げて帰国しました」と言います。「ソウルの日本人学校が休校になっても驚きませんでしたが、隔離という政府の決定には本当に驚きました」

 神奈川の大学に通う中国人男性の留学生(22)は「安倍首相の発表を聞いて、めちゃくちゃびっくりしました。故郷でゆっくり過ごしたかったのですが、2週間も拘束されると4月からの授業に間に合いません。とても残念です」と語りました。

「売り上げ減さらに」

タクシー運転手憤り

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(写真)客待ちをするタクシーの車列(一部画像を加工)=7日、東京・浅草

 「新型コロナウイルスで大打撃ですよ。売り上げは半分以下です。入国制限でまたどっと減るでしょうね」。東京都内で営業する個人タクシー運転手(69)は「当初、感染が個人タクシーの運転手から広がったので、個人タクシーは敬遠されてしまった」と憤ります。

 「終電前のJR西日暮里駅前(荒川区)なんて、普段は並んでも10台ほどなのに、今は30台も並んでいます。お客さんも何があるか分からないから、遊ぶのを控えているんでしょう」

 個人タクシー運転手の平均年齢は60代。「東京五輪・パラリンピックまで働いて、気持ちの踏ん切りをつけて辞めようと思っていた運転手が、コロナ不況で『辞める』といい出さないか、懸念しています」と話します。

 「午後9時から翌朝3時まで働いて3万円の収入が、今は1万円だね」と話す運転手(70)。「長距離のお客が出てこないね。業界の2月の売り上げは10%減。3月はもっとひどいでしょう。子どもがいて稼がないといけない運転手が無理して病気になり、事故など起こさないか心配しています」といいます。


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