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2020年3月1日(日)

観光客減、デパ地下がらがら 北海道

緊急事態宣言“やり方強引”

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(写真)人通りがまばらな大通公園=29日、札幌市中央区

 安倍官邸筋からの意向で、鈴木直道知事が新型コロナウイルス対策会議の席上、「緊急事態宣言」を出し、小中高校の一斉休校、外出を控えるよう道民に要請した北海道。強引なやり方に困惑と怒りが広がっています。

 キャリーバッグを押す外国人観光客が減り、繁華街や大通公園は人影もまばら。子どもの姿がほとんどありません。普段は客でごったがえし、店員の威勢のいい掛け声が飛ぶデパ地下もがらがらでひっそりとしています。

 女性店員は「これだけお客が少ないのは初めて。知事があんな宣言を昨日したから、一気に客足が遠のいた」とあきれ顔です。

 北海道教育委員会による公立小中学校の臨時休校要請に続き、安倍首相が決めた小中高校の春休みまでの臨時休校要請。

 「突然、休校しろと言われて、学校現場は対応に追われた」と札幌市の小学校教員。「児童の学習や卒業式をどうするか、働く保護者が休みを取れない場合の子どもの居場所は…。今後どうなるか分からない」といいます。

「毎日どう乗り切るか」

保護者・保育関係者ら悲痛

 「仕事上、休めません。子どもが精神的に参ってしまわないか心配」と語るのは、夫が単身赴任中で小学5年と1年の子どもがいる札幌市の保育士。「岩手の母親は『ちょっと札幌には行けない』という、夫は『大丈夫?』とLINE(ライン)で尋ねてきて『なんとかする』と返事しますが、イライラしちゃう毎日です」と語気を強めます。

 石狩市の団体職員の女性(38)は、シングルマザーの小学1年の双子の男児を預かりました。「毎日どうやって乗り切ろうかと考えている」と悩む母親。

 子どもたちの預かり先が見つからないときは、午前中、2人を留守番させて午後急いで帰宅といいます。

 「正規ですが、子どもの発熱などで有休は使い果たし、休めば給料は削られる。食べるのに困らないように頑張るだけです。この子たちがいるから何とか頑張っていけます」と悲痛な面持ちです。

畠山比例予定候補 関係者と懇談

 日本共産党の畠山和也前衆院議員・比例予定候補は、緊急事態宣言で混乱する学童保育の指導員を訪ね、札幌市学童保育連絡協議会の鈴木篤史会長らと懇談しました。

 札幌市では多くの学童クラブが保護者と話し合い、閉所を決めた矢先、厚生労働省から「原則開所」の方針が示されました。

 「開所、閉所どちらの判断でも行政がしっかり支援してほしい」と鈴木氏。政府の援助として、保護者の収入減に伴う保育料の減免制度創設、パート指導員が閉所で収入減になった場合の補償、長時間開所した場合の加算措置と、マスクや消毒液の確保を求めました。

 畠山氏は「場当たり的な安倍政権の対応で現場にしわ寄せがきています。国が専門家の英知を集め、財政的な裏付けを持って現場が求める支援をするよう国会と連携します」と答えました。


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