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2020年2月22日(土)

船内感染 政府の失敗

小池氏「国の財政支援必要」

BS番組

 日本共産党の小池晃書記局長は21日夜、BS―TBSの「報道1930」で、新型コロナウイルス対策について感染症の専門医や自民党議員らと議論しました。

 クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」をめぐる政府の対応が議論に。医師としても紹介された小池氏は「閉鎖的な船内の空間が感染を拡大させたのではないか。クルーズ船の性質上、すべての乗客乗員を個別に隔離することは不可能だった」「早期に下船させる対応をとるべきだったと思う。政府の対応は大失敗だった」と指摘しました。

 番組では、国立感染症研究所が「客室待機以降も感染が広がったと見られる」と認めたことが紹介されました。

 小池氏は、ウイルス検査陰性の乗客の下船が始まったことについて「下船は人道上も必要だが、公共交通機関で帰宅させるなど、無責任だ」と指摘。政府が下船した人に配った健康カードは「不要不急の外出を控える」など一般的中身にすぎないとして「自宅待機の場合でも、地元の保健所から綿密なチェックをすることなどが必要だ」と語りました。

 政府のチャーター機で中国・武漢市から日本に戻った191人が滞在したホテルで対応にあたった感染症専門医の大澤良介氏が、クルーズ船では食事を対面で乗員などが手渡していたが、ホテルではドアの前に弁当を置き直接対面しない対応をとっていた違いに言及。乗員は感染の可能性があるため下船または客室待機などの対応も考えられたのではないかとして、「感染の可能性のない方がお弁当を運ぶなどの対応が可能だったのではないか」と述べました。

 小池氏は、「(クルーズ船では)感染症の専門家が全体をコントロールすることができていなかったという指摘もある。感染症専門医が船のなかで全体の指揮をとれば、もっと有効な手だてを打てたのでは」と指摘しました。

 この日、加藤勝信厚生労働相が大規模イベントの開催について一律の自粛要請をせず、あくまでも主催者の判断で必要性の「検討」を呼びかけたことについて、解説者の堤伸輔氏は、根本的な方針を示さず、政府への忖度(そんたく)を求めるもので、「政治的責任を負いたくないという姿勢が非常に出ている」と述べ、小池氏も「企業には無理に出勤させないようにきちんと言った方がいい」と述べました。

 番組内では、感染者が出たために外来患者の受け付けを中止した病院がある和歌山県の仁坂吉伸知事と中継で対話。小池氏は、感染の拡大に備えて、受け入れる外来や病棟を確保するため、国からの抜本的な財政支援が必要だと主張。仁坂知事は「まさにその通りで、和歌山県だけでできないことも多い」と答えました。

 小池氏は、「高齢者や糖尿病などの病気を持つ人を守るために、病院、介護施設、障害者施設などへの緊急な支援が必要だ。100億円の予備費では足りません。ここを強める必要がある」と訴えました。


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