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2020年2月16日(日)

男性の自殺、労災認定

福井地裁 母親の訴えを認める

敦賀の会社勤務

 福井県敦賀市の不動産会社で働いていた南晋作さん=当時42歳=が自殺したのは長時間労働などによる精神障害が原因だとして、母親が労災認定を国に求めた裁判の判決が12日、福井地裁で言い渡されました。武宮英子裁判長は、業務の心理的負荷から適応障害を発症していたと認定し、遺族補償などを不支給とした国の処分を取り消しました。

 武宮裁判長は、上司の叱責や自殺直前1カ月の100時間超の時間外労働など長時間労働を指摘し、「適応障害の発症やその後の自殺は業務に起因する」との判断を示しました。

 晋作さんは生前、営業業務に加え、会社の指示で関連会社が経営する浜茶屋にも出向し炎天下の過酷な長時間労働に耐え、夜間や空き時間に不動産会社の業務に従事。適応障害、うつ病を発症して2012年8月3日、「これ以上こき使われるのはつかれた」と遺書を残して自宅で自ら命を絶ちました。

 遺族補償給付などをめぐり、敦賀労基署は精神障害の発症を否定して再審査請求も棄却。母の井上充子さん(73)は16年10月、国を提訴しました。

 充子さんは、「うれしい。国はもっと会社を調べてほしかった」と話しました。

 国側の控訴期限は今月27日です。


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