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2020年2月8日(土)

病院再編誘導へ厳格化

中医協 診療報酬改定で答申

 保険医療の公定価格である診療報酬の2020年度改定の全容が7日、決まりました。中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)が加藤勝信厚労相に答申しました。特に病院再編や病床削減に誘導するため、入院医療の報酬要件を厳格化する見直しが目立つ内容となりました。

 診療報酬をめぐっては、今回で4回連続となる総額削減を昨年末に決定。そのうち、医療機関の設備費や人件費に充てる報酬「本体部分」は微増にとどめ、疲弊した地域医療の底上げには不十分すぎる内容となりました。

 具体的な改定内容では、手術や救急・重症患者に対応する「急性期病床」で、最も看護体制が手厚い「7対1以上」(患者7人に看護職員1人以上)の報酬要件を厳格化。より看護体制が少なく診療報酬が低い病床に転換するよう促しています。

 「7対1以上」を維持するため、診療報酬が比較的高い「地域包括ケア病床」に一部病床を転換する事例を問題視し、同病床の要件も厳格化。「回復期病床」はリハビリ実績要件を引き上げ、患者の早期退院につなげます。

 質の高い医療提供を評価する「総合入院体制加算」は、病院の再編統合の加速化を見すえ、産科・産婦人科がなくても算定できるように要件を緩和。勤務医の負担軽減を要件とした「地域医療体制確保加算」を新設しますが、救急搬送数が多い大病院しか算定できないため、地域での診療科の集約につながる可能性もあります。

 外来については、妊婦の窓口負担増に批判を浴びた「妊婦加算」は廃止します。しかし、そもそも窓口負担が高すぎる問題は解決されないままです。


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