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2020年2月4日(火)

感染防止 ベトナム全力

新型肺炎 ハノイの全学校で消毒

 【ハノイ=井上歩】中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる感染症対策にベトナムが力を入れています。経済的影響よりも感染拡大防止を優先して、中国人観光客へのビザを停止し、ハノイの3000近い全学校で消毒を実施する徹底ぶりです。


 例年はテト(旧正月)休暇明けで活気が戻るハノイ(人口約800万人)中心部は3日、出歩く人も少なく物静かな雰囲気が続きました。新型コロナウイルスによる肺炎の対策のため、ハノイを含む47以上の省・都市が幼稚園と小・中・高校をおおむね9日まで休校とし、大学も多くが休校を決定。例年この時期に数多く開かれる祭りなどのイベントは中止されました。

 ベトナムで感染が確認されたのは3日までに8人(ベトナム人6人、中国人2人)。ほとんどは業務研修を終えた武漢からの帰国者で、1人は感染者との接触があったホテル従業員でした。感染者が滞在したホテルや周辺の学校を速やかに消毒し、従業員と宿泊客を2週間隔離する措置が取られました。

 これまでに、感染の疑いがあった65人に陰性の検査結果が出ており、引き続き約100人を隔離し経過を観察しています。

 感染者数は限定的ながら、ベトナム政府は中国と国境を接していることを警戒し、先月27日に緊急会議を招集。空港管理や病院の受け入れ態勢に関して各省庁の責任を明確化し、45の「即応チーム」を各地の病院に配置しました。

 グエン・スアン・フック首相は「国民の健康保護のため一定の経済的損失を甘受する」と強調。中国の感染地域とを結ぶ航空便を原則停止し、昨年約580万人にのぼった中国人観光客へのビザ発給を停止しました。1日には新型肺炎を国内感染症に指定し、対策を強化。人が混雑する状況の防止を徹底しています。

 政府が利用を推奨するマスクや消毒剤の価格つり上げが各地で伝えられると、ブオン・ディン・フエ副首相は市場管理当局に厳罰対応を指示。ベトナムの大手紙タインニエン紙によると、1日にはマスクを高値で販売するなどした85の薬局・販売店が摘発され、罰金などの処分を受けました。品薄状態とされる中国への密輸も警戒され、ランソン省では30万個以上のマスクの不正輸出を阻止。他方で中国国境に接する各省は、中国側に数万個単位のマスクを寄付しています。


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