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2020年1月21日(火)

きょうの潮流

 ラグビーの国内トップリーグが始まりました。盛り上がったW杯の影響で大勢が集い、活況を呈しています。それぞれの所属チームに戻った日本代表の活躍もファンを喜ばせています▼出身国や文化、所属をはじめ、さまざまな違いをのりこえ、目標に向かって一つになる。世界の強豪を相手に力を合わせた日本代表の一体感は、共生社会のあるべきかたちを体現したと称されました▼その合言葉で昨年の流行語大賞にもなった「ワンチーム」。じつは10年以上も前から同じ言葉を使っていた組織がありました。在日米陸軍です。「われわれは日本や自衛隊をリスペクトしている。ワンチーム、イチダン(一団)だ」▼当時の司令官が示した日米共通の“モットー”。しかし、かけ離れた実態が本紙の安保改定60年のシリーズで描かれています。世界でも類のない過剰な基地負担を押しつけながら日本は守らない、対等は偽りで屈辱的な従属。とうてい主権国家同士の関係とは思えない異常さがまざまざと▼「かつてないほど強固で幅広いものになった」。いま日米同盟の意義を両政府がことさらに強調しています。トランプ大統領はさらなる負担増を求め、安倍首相は唯々諾々と付き従う構図はますます▼彼らがいくら「ワンチーム」を押し出しても、そこに多様な世界の共存や互いの敬意の上に成り立つあの姿は重なりません。同じ言葉でも使われ方によってはまったく違うものに。大事なのは、その言葉が意味する本質に迫ることなのでしょう。


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