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2020年1月17日(金)

きょうの潮流

 父や母、娘や息子。大切な家族を失った悲しみは今も変わりません。あの日から断ち切られた日常のくらしや地域のぬくもりは時が過ぎても取り戻せません▼阪神・淡路大震災から25年のきょう、被災地は追悼に包まれます。式やつどいを前に県政資料館やダイエー三宮店では当時の写真が展示され、人々が足を止めていました。つらい記憶がよみがえったのか、涙を浮かべる姿も▼「毛布にくるまれた幼子が忘れられない」。震災時、民医連に勤めていた森本真さんは救護活動や避難者の身元調べに奔走。車で病院に向かっていたときに託された子どもはすでに亡くなっていました▼生かされた命をこれからのためにと、がれきと化した神戸・長田区から共産党の市議に。住民の命と財産を守るため、国や自治体のあり方を問い続けた四半世紀だったといいます。「住宅も生活も再建しないという政治に被災者が怒り、声をあげてたたかった」▼以降も相次ぐ災害に見舞われてきた列島。大規模災害の経験が支援の法整備や備えにつながる部分もありましたが、行き届かず、希望がみえない状況は今も。阪神・淡路の災害復興住宅では昨年、75人が独居死しています▼ゼネコン優先の街の再開発は人口減少の一因にも。以前のにぎわいを知る高齢の住民は「こんなに寂しい所になるとは…」と嘆いていました。復興のシンボルとして長田にそびえ立つ鉄人28号。突き上げたこぶしの先にみえるのは、災害に強く人にやさしい社会なのかもしれません。


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