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2020年1月13日(月)

きょうの潮流

 どうしてこんなに、周りの目が気になるのか。どうしてこんなに、なんとなくの「空気」に流されるのか? “生き苦しさ”を感じる若い世代に共感をよんでいる本があります▼昨年、岩波ジュニア新書から出た鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)さんの『「空気」を読んでも従わない』です。この国に根強く残る「世間」と、お互いが知らない「社会」を分けることで、自分の今の状況はたったひとつの正解ではない、多様な視点や価値観は心を自由にすると説きます▼私たちが身にまとう「空気」や同調圧力は「社会」とつながることで変えられる。「世間」のルールを恐れず、それとたたかうことは、あなただけのたたかいではないと▼自分たちと地球の未来を守るために、今ある危機を知ってもらいたい。気候変動にたいする人びとの意識改革や国の早急な対策をもとめ、街で声を上げていた青年の思いです。関西の気候マーチで知り合った大学生で今年20歳に。「ひとりのおとなとして責任をもって行動したい」▼千年紀をまたぎ、21世紀とともに歩んできた世代が新成人を迎えます。ふり返れば、大災害が相次ぎ、貧困と格差、不寛容が社会にひろがるなかで不安を抱え、もがいてきました。日本の若者の多くに自分を認める意識が低いことも無関係ではないでしょう▼しかしいま、そんな世の中や覆う「空気」を打ち破ろうとする姿が、世界でも、日本でも。生きる希望と自由を模索しながら立ち上がる、若い力と手を携えたい。ともに未来を開いていくために。


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