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2020年1月8日(水)

ドイツ 再生エネ、化石燃料逆転

発電シェア46.1%に

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(写真)ドイツ・ブランデンブルク州の風力発電=2013年(片岡正明撮影)

 ドイツで2019年に、風力や太陽光など再生可能エネルギーによる発電が総発電量の46・1%を占め、石炭やガスなどの化石燃料と逆転したことが明らかになりました。独フラウンホーファー研究機構が2日、推計値を発表しました。脱炭素社会をめざす欧州の取り組みの進み具合を示すものとして注目されます。

 それによると、19年のドイツの総発電量(企業などによる自家発電を除く)は5156億キロワット時。そのうち再生可能エネルギーによるものは2374億キロワット時で46・1%を占め、前年比5・7ポイント増でした。化石燃料によるものは39・6%でした。再生可能エネルギーによる発電は1990年に197億キロワット時で、およそ30年間で12倍以上になりました。

 再生可能エネルギーの中では、風力発電が前年から14・3%伸びて1272億キロワット時、特に海上風力発電は前年の191億キロワット時から244億キロワット時と大きく伸びました。

 次いで太陽光発電が465億キロワット時で、前年の458億キロワット時から増。水力発電も伸びて192億キロワット時、バイオマスはやや減って444億キロワット時でした。

 一方、化石燃料では褐炭(水分や不純物の多い石炭)による火力発電が1022億キロワット時、石炭火力発電が487億キロワット時といずれも大幅減。天然ガス発電は増えて541億キロワット時でした。

 化石燃料による発電が減少したことについて、フラウンホーファー研究機構は「欧州排出取引制度での排出価格が上昇し、二酸化炭素の排出量が多い褐炭や石炭では利益が出なくなった」と指摘しています。

 原発は711億キロワット時でした。ドイツのメルケル政権は11年、22年末までに原発の全炉の運転を停止し、再生可能エネルギーを将来のエネルギー供給の柱と位置づける「エネルギー転換」計画を作成。30年までに再生可能エネルギーの消費割合を65%にする目標を掲げています。(片岡正明)

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