しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年12月20日(金)

上告せず救済のたたかい

ビキニ国賠訴訟 原告ら会見

 米国のビキニ環礁水爆実験(1954年)で被ばくした日本のマグロ漁船の元船員や遺族らが国に損害賠償を求めた裁判で、原告団と支援者は19日、高知市内で記者会見し、原告の訴えを退けた高松高裁判決に対し、上告せず、一日も早い被災者の救済に全力を挙げると表明しました。

 梶原守光弁護士は「二審の判決の問題点は数々あり、上告理由はいくらでもあるが、上告し、時間が延びれば元船員の救済の道も厳しいものになるという状況を検討し、上告せずに次のたたかいに引き継ぐ」と述べました。

 具体的には、一般の労災保険にあたる船員保険での救済を求め、この間の申請に対する不承認を不服として提訴する方針を示しました。

 一・二審判決が必要性を指摘する立法と行政による救済も追求します。

 今月胆管がんで死亡した原告団長の妻の増本美保さん(78)は「高松高裁の判決には多分主人も憤っている。上告は可能かもしれないが、必要な労力や期間を考えると、(上告しないのは)一つの選択だ」と話しました。遺族原告の下本節子さんは「判決には憤りを感じているが、船員保険で救済の道を開いていくことが妥当だと思う」と話しました。


pageup