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2019年12月16日(月)

医療事故報告低調なぜ

調査制度4年で市民らシンポ

 患者の「予期しない死亡」を対象とする医療事故調査制度が発足から4年を経過し、多くの課題が指摘されるなか、15日、東京で「医療事故調査制度4年~届け出数低調、遺族の願い届かぬ現実」と題してシンポジウムが開かれました。主催は医療過誤原告の会(宮脇正和会長)。医療事故の被害者・家族、市民ら70人余が参加しました。

 同制度は死亡の原因を調査し、再発防止を図り安心・安全な医療を目指すものです。

 同会役員の篠原聖二さん、「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」の永井裕之代表、東京医療問題弁護団の三枝恵真弁護士が報告。医療機関の管理者は「予期しない死亡」について医療事故調査・支援センターへの報告と原因調査が義務づけられていますが、報告数が当初の予想を大幅に下回っている背景や、どうとりくむかなどについて意見を交わしました。

 三枝さんは「遺族が『医療事故』であると考える事案が届けられていない」と指摘。医療側に届け出要件を恣意(しい)的に狭く解釈しようとする流れもあるとして▽医療事故に該当すると考えられる事例では積極的に調査の申し入れを行う▽調査を拒否された事例を集めるなどを提起しました。

 篠原さんは「大病院でも事故を隠す風習が根強く残っている」として「よりよい制度にするために中立性・公平性・透明性の確保が求められる」と話しました。

 永井さんは、合併症と考えられても患者や家族が予期していない場合は報告すべき基準の第一にあげている名古屋大学病院のとりくみなどを紹介しました。


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