しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年12月13日(金)

きょうの潮流

 ある歌とダンスが、世界を駆けめぐっています。「私のせいじゃない/私のいた場所や服装のせいでもない/レイプしたのはあなただ」。目隠しやマスクを被(かぶ)った女性たちがパーティーに行くような衣装を身につけ、声をそろえて踊ります▼1年前にたった4人で結成した南米チリの女性権利団体が始めました。「あなたの行く道にいるレイピスト」と題された歌はフェミニストの人類学者の文章を元にしたそうです。女性にたいする暴力に反対し、政府や司法を批判する運動として各国にひろがっています▼「あなたも悪いよね」。高校生のとき性暴力にあった田嶋みづきさんは、駆けつけた警官からそういわれたといいます。大学生や社会人になっても受けた性的な被害。以来、10年以上もの間それをなかったことにして生きてきました▼しかしいま、彼女は外に向かって声を上げはじめています。同じような苦しみと絶望のなかでもがき、助けをもとめている大勢のために▼11日夜。群馬の高崎駅前に一輪の花を手にした人たちが集まっていました。NHKが生中継した年内最後のフラワーデモ。この日は男性の参加も多く、加害の経験や妻との関係を省みる人も。話を聴きながら、自身の心の声にも耳を傾ける静かな時間が流れます▼来年の法改正に向けて同意なき性行為が犯罪と認められるよう、全国で立ち上がった人びと。日常や生活のなかにはびこる性暴力。その世界を変えていくことが、誰もが大切にされる社会につながると信じて。


pageup