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2019年12月10日(火)

性被害者殺害に怒り

インド 止まぬ事件、各地で行動

政府・司法は早急に対策を

 インドで性暴力被害にあった女性が殺害される事件が相次ぎ、抗議が広がっています。7、8日の週末には、首都ニューデリーをはじめインド各地で、女性に対する暴力に抗議し、政府や司法が積極的に行動するよう求める行動が行われました。

 現地からの報道によると、ニューデリーでは7日、演劇を学ぶ学生たちが、レイプ被害者に連帯する街頭パフォーマンスを行いました。11月25日の「女性への暴力撤廃国際デー」で、南米チリの女性たちが、女性への暴力を見過ごし、助長する政府や司法を批判するダンスを披露。このダンスが欧州など全世界に広がっています。インドでも、被害女性の救済が大きく遅れていることを訴え、女性たちが「家父長制政治を打ち破ろう」などと唱和しました。

 8日には西部ムンバイで、女性たちが、レイプ被害女性が殺害される事件の起こった北部ウッタルプラデシュ州の州首相の辞任を求めました。政権与党インド人民党(BJP)が州与党の同州は、女性への性暴力事件が最も多く、BJPのレイプ被害者への対策の遅れに批判が上がっています。

 ウッタルプラデシュ州では、23歳の女性がレイプ加害者を含む複数の男に灯油をかけられ、大やけどの末に死亡する事件が発生。この女性は5日、被害を証言するため出廷する途中で5人の男たちに捕まり、火をつけられました。

 女性は、3月にレイプ被害を警察に届け出ており、5人のうち2人は、女性がレイプの加害者だと訴えていた人物でした。女性は、ニューデリーに運ばれ、病院で治療を受けていましたが7日に死亡しました。

 レイプ被害の女性が殺害される残虐なケースは、この2週間で2件目です。中南部ハイデラバードでは11月末、27歳の女性が誘拐され、集団レイプを受けて窒息死させられる事件が発生。インド各地で加害者への厳罰化を求める抗議が広がったばかりでした。

 同事件では警察が加害者を銃殺しました。司法手続きもなく容疑者が殺害されたことに対し、人権団体からは懸念の声が上がっています。(鎌塚由美)


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