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2019年12月1日(日)

税の公正脅かす「ポイント還元」

消費税10%2カ月

利用店舗に地域格差

 安倍晋三政権が10月1日に10%への消費税率を強行してから2カ月がたちました。増税は国民の日々の暮らしに悪影響を与えています。そのうえ政府の「増税対策」が税の公正・公平を脅かしています。(新井水和、清水渡)


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(写真)小型スーパーのレジに貼ってある「ポイント還元」参加店であることを示すシール=東京・武蔵村山市内

 政府が消費税増税対策を口実に実施しているのが「ポイント還元」です。登録店舗のない自治体もあるなど、住んでいる地域によって利用状況に格差があります。

 東京都武蔵村山市は都内でも「ポイント還元」の登録率(対象店舗に対する登録店舗の割合)が低い市です。市内在住の70代の男性は「現金しか使わない。ポイント還元目当てだと無駄なものまで買いがちだが、そんな余裕はない。お金持ちばかりが恩恵を受ける。しかも、地域によって利用しやすさが違うなんて不公平だ」と怒ります。

 「ポイント還元」を機にキャッシュレス(非現金)を導入したのは小規模なスーパー。40代の女性店員は「増税のあと若干、お客が減りました。キャッシュレスは少しでも売り上げが伸びたらと思って導入しました。でも現金で買われる方が多い」と話します。

 老舗の和菓子屋さんではキャッシュレスを導入していません。40代の女性店員は「キャッシュレスは仕組みがわからなくて不安。だから入れていません」といいます。来店していた70代の女性客は「買い物はほとんど現金。カードは高額の買い物の際に使うくらい」と話します。

 経済産業省によると21日現在、キャッシュレス払い時の「ポイント還元」に登録している店舗は77万店舗あるとされます。ただ、登録店舗は大都市が中心です。全国1741市区町村のうち東京都青ケ島村、新潟県粟島浦村(あわしまうらむら)、和歌山県北山村、高知県大川村、鹿児島県三島村、同県十島村、沖縄県渡名喜村(となきそん)の7自治体では1店舗も登録がありません。「キャッシュレス・ポイント還元事業」のホームページでは「日本どこでも最大5%還元」と制度を紹介しますが、そもそも住む地域によって税金を使った「恩恵」が受けられない不公平が生じています。

「ポイント還元」本紙集計

都内も「格差」際立つ

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 「消費税増税対策」のために導入した「ポイント還元」について、経済産業省が発表した東京都の登録店舗データを使い登録状況について本紙が集計しました。データには同一自治体内で同一名称、同一業種の店舗が複数登録されているなど、1割近く重複しています。利島村(としまむら)には二つの登録店舗があることになっています。しかし登録名は「東海汽船 利島営業所」と「東海汽船利島営業所」。1文字空けの有無で違う店舗として扱われています。

 登録率については本紙が政府統計調査の経済センサスから推計した対象店舗数を分母とし、重複を整理した登録店舗数を分子として試算しました。都内で登録率がもっとも高かったのは渋谷区で69・9%です。以下、港区(56・7%)、目黒区(54・7%)と続きます。客層が若い商業地や高級店が集中する自治体で登録率が高くなる傾向があります。一方、23区外の市町村では登録率が低くなっています。利島村では5%、三宅村では7・4%にすぎません。

 武蔵村山市は20・0%と都内の市・区では6番目に低くなっています。しかもコンビニやガソリンスタンドなどチェーン店を除くと「ポイント還元」に15・7%の店舗しか参加していません。

 明らかな不公平が生じているのに、政府が「ポイント還元」を推進するのは、消費税増税によって消費が冷え込むことを恐れるからです。しかし、消費税は低所得者ほど負担が大きくなります。「ポイント還元」で一部の人に恩恵を与えればさらに格差と経済のゆがみを広げることになります。

 武蔵村山市の商店街でお菓子を購入していた中学1年生の男子は「消費税が増税されてもお小遣いは上がらなかった。使えるお金が減っちゃうから消費税はイヤだ」と話していました。格差を広げ、日本経済を破壊する消費税はすぐにでも5%に戻すことが必要です。


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