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2019年11月6日(水)

主張

憲法めぐる攻防

安倍政権の改憲策動を許すな

 日本国憲法の公布から73年にあたる3日、国会の正門前には、「止めよう!改憲発議」などと書かれたプラカードを手にした多くの人々が詰めかけ、声を上げたのをはじめ、全国で取り組みが広がりました。一方、自民党は、安倍晋三首相が掲げる憲法9条に自衛隊を書き込む改憲実現へ、各地で集会を開くなど策動を強めています。憲法を守り生かすのか、破壊を許すのかのせめぎあいがいよいよ激しくなっています。自民党が今国会中の改憲案提示を企てる中、改憲発議阻止の世論と運動を盛り上げることが急務です。

侵略戦争の反省踏まえ

 日本国憲法は、日本が侵略戦争に敗れた直後の1946年11月3日に公布され、47年5月3日に施行されました。施行に合わせ全国の世帯に届けられた冊子『新しい憲法 明るい生活』(憲法普及会発行)には、「新憲法をつらぬいている民主政治と、国際平和の輝かしい精神を守りぬくために、全力をつくす」と明記しています。

 憲法は前文に、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」とあるように、日本とアジアの諸国民に甚大な被害を与えた侵略戦争への反省に立って制定されたものです。戦争の放棄と、戦力の不保持・交戦権否認を定めた憲法9条は、その核心部分です。安倍首相が言い出した9条に自衛隊を書き込む改憲は、その9条の規定を死文化・空文化し、自衛隊が大手を振って海外で武力行使できるようにするものです。憲法の核心部分の破壊に他なりません。

 安倍首相は、9月の自民党役員人事・内閣改造にあたって「憲法改正を(自民)党一丸となって力強く進めたい」と表明し、改憲への執念を改めて示しました。これを受けて、留任した二階俊博幹事長や岸田文雄政調会長、再登板した細田博之改憲推進本部長(元幹事長)らは繰り返し改憲を主張し、党が一丸になって、推進する構えを強化しています。二階氏の地元の和歌山県での大規模な改憲集会や埼玉県などでの改憲をテーマにした地方政調会を開いて、改憲世論の喚起に躍起となっています。

 しかし改憲の動きは、安倍首相や自民党が描く思惑や日程通りには進んでいません。自民党が当初10月31日に開催を目指した衆院憲法審査会も、主要閣僚の相次ぐ辞任の影響を受けて開くことができませんでした。

 細田改憲推進本部長が雑誌や新聞のインタビューで、改憲勢力はこの夏の参院選で改憲発議に必要な3分の2の議席を割ってしまったから、「北風」のように強引なことはやらないと口にせざるを得ないのも、矛盾の表れです。国民の望まない改憲にあくまで固執する道理のなさは明白です。改憲そのものを諦めるべきです。

民意は改憲を望まない

 共同通信が行った世論調査では「安倍政権の下での憲法改正」に「反対」が48・4%と、「賛成」を上回りました(「東京」10月7日付)。同時期の日本世論調査会の世論調査では9条を改憲する「必要はない」が56・3%に上ります(同13日付)。安倍政権が目指す改憲が、民意に逆らうのは明らかです。

 3000万人署名をはじめ、安倍改憲に反対する世論と運動を広げ、草の根の力で改憲策動をきっぱり断念させることが必要です。


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