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2019年10月30日(水)

弾薬庫土地 所有権争い

沖縄・宮古島 未確定のまま着工

 陸上自衛隊が沖縄県宮古島市で建設している弾薬庫の予定地をめぐって裁判で所有権の争いが起きていることが29日、分かりました。予定地の採石業者が那覇地裁平良支部で起こした土地所有権確認請求訴訟の記録などから明らかになったもの。予定地の所有者が不確かなまま、住民らの反対を押し切り建設に着工した安倍政権・防衛省の強引な姿勢が問われる事態となっています。

 訴訟を起こしたのは国から予定地の買い取り申し込みをうけている宮古総合開発(砂川武雄代表取締役)。相手は池間金殿さん=死亡=。訴状によれば、同社は池間さんの土地(計約3000平方メートル)を、第三者と売買契約を締結し1988年12月31日に引き渡しを受けたと主張。所有権移転の登記をしていないものの、20年以上にわたり土地を占有しているとして、時効取得による所有権の確認を求めています。

 池間さんは、1859年生まれですでに死亡しているものの、親族である僧侶の松川盛徳さん(54)=石垣市=が、当事者として裁判への参加を申し入れ。那覇地裁平良支部によると、松川さんの裁判参加が認められ、30日の口頭弁論で意見陳述が予定されています。松川さんは同社の請求を却下するよう求めています。

 弾薬庫建設用地は全体で19ヘクタール。防衛省がこれまでに取得したのは11ヘクタールです。松川さんは本紙の取材に「先祖から預かってきた大事な土地を、憲法に反して海外で戦争する自衛隊へ絶対に明け渡すわけにはいかない。土地は福祉と平和のために使う」と語っています。(山本眞直)


 時効取得 所有の意思をもって平穏かつ公然と他人の土地などを一定期間占有した場合、時効で取得できる制度。


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