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2019年10月14日(月)

主張

台風19号の猛威

甚大な被害 総力挙げ救援を

 大型で強い台風19号は、東北、関東・甲信越、東海をはじめ広範囲に甚大な被害を引き起こしました。犠牲になった方にお悔み申し上げ、被災された方々にお見舞い申し上げます。多数の河川が氾濫して、濁流が住宅地に押し寄せました。各地で土砂崩れが相次ぎました。人命を最優先に、救出と救援が急がれます。日本共産党は、台風19号が近づく中で対策本部を設け、情報を集め必要な対策を取る体制を取りました。さらに体制を強め、政府や自治体に対策を求めていくとともに、現場に入って、実情をしっかり把握し、被災者支援などに全力を挙げています。

河川の氾濫・決壊相次ぐ

 茶色く濁った水につかった家屋の屋根の上から助けを求める人。えぐられた堤防。川に崩れ落ちた鉄橋―。台風19号の通過から一夜明け、各地から伝えられる光景は、この台風がもたらした記録的な大雨のすさまじさを示しています。

 長野県の千曲川、福島県と宮城県を流れる阿武隈川などでは複数箇所が氾濫したり決壊したりしました。東日本の多くの河川で重大な水害が次々に発生しています。逃げ遅れて命を落とした人もいます。土砂崩れで住宅が倒壊し、犠牲者も出ています。

 1カ月余り前の台風15号で大きな被害を出した千葉県内では、屋根を覆っていたブルーシートが吹き飛ばされた家屋もあります。停電や断水も多く発生しました。

 今回の災害は広い地域にわたって、同時多発に発生しており、全体像はなかなかつかめません。取り残されている人はいないか。助けを求めている人はいないか。命を救うことを優先して、きめ細かで迅速な対策が求められます。

 被災者は長い避難生活が予想されます。九死に一生を得た人が避難の中で、健康を害し命が脅かされるようなことがあってはなりません。温かい食べ物の提供や安心して眠れる環境の確保などが不可欠です。これまで築き上げてきた被災者支援の仕組みをフル活用するとともに、実態に合わせ改善・拡充をはかることが重要です。

 気象庁は、岩手、宮城、福島、茨城、群馬、栃木、東京、埼玉、神奈川、山梨、新潟、長野、静岡の13都県に大雨特別警報を出しました。同警報は、数十年に1度のような、経験したことのない危険な大雨に際して発表される最高レベルのものです。昨年7月の西日本豪雨では11府県に出されました。今回の台風19号は、これを上回り過去最高となりました。多くの地域で観測された24時間雨量は、観測史上最多記録を塗り替えました。台風が強い勢力のまま接近・上陸した要因として、日本近海の海水温の高さなどが指摘されています。地球規模ですすむ気候変動の影響を背景に、台風などの風水害が激甚化していることは深刻です。

従来の支援にとどまらず

 災害が従来と異なる様相になる下で、防災・減災、被災者支援の仕組みもこれまでの枠を超えた見直しが必要です。大規模災害がもたらした被害からの復旧・復興には政府の全面的な応援が欠かせません。住宅再建への公的支援を抜本的に拡充すべきです。現場でがんばる自治体が思い切った対策がとれる財政的な支えも急がれます。被災者支援と被災地の復旧・復興に向け、知恵と力を集めることは、災害大国日本の政治の責任です。


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