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2019年10月11日(金)

原爆 リアルに伝え

手記の朗読会NYで始まる

広島育ちの米国在住俳優

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(写真)原爆手記「星は見ている」を朗読する米在住俳優の曽我潤心さん=9日、ニューヨーク市内(池田晋撮影)

 【ニューヨーク=池田晋】広島で育ち、米ロサンゼルスで俳優として活動する曽我潤心さん(37)は9日、ニューヨーク大学で、原爆手記集「星は見ている」の朗読会の公演をスタートしました。昨年から始めた、日米の各地で朗読会を開く取り組みを、今年はこの後、広島県福山市、岡山県倉敷市、長崎市、ロサンゼルス、ホノルルと回ります。日本語での朗読。

 広島県三次市甲奴町で育った曽我さんは、日本大学芸術学部を出て、2011年に渡米。いずれ原爆について脚本を自分で書きたいと志す中、手記集と出会い、始めるのは「今だ」と決心したといいます。

 朗読を通し、被爆の客観的事実だけでなく、そこで日常生活を営んでいた人々が「何を経験し、どう感じていたのか、もっと伝えられたら」と込める思いを語ります。

 手記集「星は見ている」は、原爆でほぼ全滅した旧制広島第1中学校1年生の父母が残したものです。公演では、手記集の題名にもなっている、息子の博久さんを失った藤野としえさんの手記を朗読。被爆下で負傷しながらも、離散した子や夫を思い、探し続ける母親の心情の移り変わりを読み上げました。

 ニューヨーク在住のメイクアップアーティスト(22)は、朗読を通し「自分たちと同じ人間がそこにいたのだと、以前より原爆がリアルに感じられるようになった」と話しました。


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