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2019年10月4日(金)

きょうの潮流

 沖縄にある米空軍嘉手納基地。米国の在外空軍航空基地の中で面積は第2位です(国防総省「基地構造報告」2018年度版)。東京ドーム約420個分の巨大さで、F15戦闘機54機を配備しています▼かつて訪れたとき、米軍将校がこの基地の価値に「安全性」を挙げたのには「苦笑した」と、軍事ジャーナリストの田岡俊次氏が著書で書いています(『戦略の条件』)▼当時のソ連に備えるなら北海道や首都圏に居るべきなのに、ソ連戦闘機の行動半径外の沖縄で「自衛隊によって手厚く守られていた」「日本を守るなら、安全なところに居てもらっては役に立たない」と。一方でソ連崩壊後、中東に派遣され、イラク戦争にも加わりました▼「西太平洋の米軍基地は中国のミサイル攻撃に極めて弱い。米軍は嘉手納基地のような数少ない場所に集中している」。米シンクタンク・戦略予算評価センターが今年5月公表した報告書の一節です▼筆者は元米国防次官補代理ら。台湾有事等を想定し、日本などにある米軍基地について中国軍の第一撃を「吸収できる」と重視。その際、米軍機への被害を避けるため沖縄配備の部隊は沖縄を離れ、分散配置するよう提案しています。日本を守るどころか現代の「捨て石」戦略です▼沖縄戦では4人に1人の県民の命が奪われました。祖国復帰闘争の先頭に立った瀬長亀次郎氏は国会で「沖縄の大地は再び戦場となることを拒否する」と迫ったことがあります。戦争を呼び込む基地など要りません。


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