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2019年9月8日(日)

沖縄・読谷米兵民家侵入1年

音におびえる夜いまも

米軍、再発防止要請を拒否

 1年前の9月7日午後10時すぎ、酔って上半身裸の米陸軍上等兵(23)=当時=が沖縄県読谷村の民家に侵入して県警に逮捕されました。当時、部屋にいたのは高校2年生の長女と生後5カ月の妹の2人だけ。再発防止などを求める被害者側の要請書を、米軍は受け取りを拒否し続けています。(山本眞直)


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(写真)読谷村の民家に侵入した陸軍上等兵が所属する米空軍嘉手納基地=7日、沖縄市

 米兵が部屋に侵入してきたとき、身の危険を感じた長女は妹を抱えて窓から飛び出し、難を逃れました。長女は一時期、学校を早退しなければならないほど強い精神的不安におそわれた、といいます。

 那覇地検は昨年9月20日に米兵を不起訴に。同11月、米軍嘉手納基地の簡易軍事裁判所は月給3分の2の減給を1カ月間、45日間の労役を言い渡しました。

 被害者側は今年5月、再発防止を求める要請書を、代理人を通じて米軍に渡そうとしましたが、拒否されました。「一個人の要請には対応しない」「被害者に丁寧に対応している」というのです。長女の父親は記者会見(8月21日)で、この事実を告発しました。

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 被害者側代理人の白充(ぺく・ちゅん)弁護士によると、米軍は▽被害者に直接、謝罪したい▽金銭賠償に応じ、軍事裁判への傍聴を希望するなら許可する―と伝えてきたといいます。

 被害者側は「私たちの願いは謝罪やお金ではない。自分や家族と同じような目に遭う市民が二度と出ないよう再発防止策をとることなどだ」と譲りませんでした。

 被害者側は沖縄防衛局に対して、要請書を米軍が受け取り、要請内容を実現させるよう対策を講じ、その結果を9月中に書面で報告するよう求めています。

 白弁護士は批判します。「被害者の声を聴こうとしない米軍の対応は、県民の尊厳を踏みにじるだけでなく、かつての米軍占領下の傲岸(ごうがん)不遜な体質そのもので、到底許されない」

 

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(写真)米軍の対応を「占領下そのものだ」と批判する白充弁護士=6日、那覇市


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