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2019年8月31日(土)

軍事費最大の5.3兆円要求 防衛省

いずも空母化31億円 F35B1機141億円

「軍事ローン」で膨張

図

 防衛省は30日、2020年度軍事費の概算要求を決定しました。総額は5兆3223億円と過去最大になりました。19年度当初予算比で648億円、1・2%増。第2次安倍政権発足後の13年度から8年連続で前年度を上回り、15年度から6年連続で過去最大を更新し、国民の暮らしを犠牲にした大軍拡路線を強行しようとしています。(関連記事)

 SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)関係経費や米軍再編関係経費などは、額を明示しない「事項要求」としています。これらが今年度予算と同水準で計上されれば、5兆5000億円台になります。

 海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」の空母への改修費として31億円を計上。短距離離陸・垂直着陸能力を持つ米国製最新鋭ステルス戦闘機F35Bの発着艦ができるように、甲板の耐熱工事などを行います。改修艦に搭載するF35B6機分の取得費として846億円を盛り込みました。

 防衛省はF35Aの単価を116億円と公表していましたが、F35Bの単価はこれを大きく上回る141億円。自衛隊が導入する戦闘機としては最も高額です。防衛省はF35Aを105機、F35Bを42機導入する計画です。

 また、30年代半ばから退役が始まる航空自衛隊F2戦闘機の後継機の開発については、具体的な金額を記載せず、年末の予算編成時に算出する「事項要求」としました。F2は1機120億円とされています。

 防衛省はF35に代表される米国製兵器を引き続き大量購入し、予算の硬直化を招いています。高額兵器購入の際に単年度の予算では支払いきれない金額を翌年度以降に先送りした「軍事ローン」の返済となる「歳出化経費」は2兆1615億円(19年度当初予算比9・9%増)と大幅に増えています。

 一方、新たなツケ払いとなる「新規後年度負担」は2兆5170億円。「軍事ローン」返済よりも新たな借金が上回っており、軍拡に歯止めがかからない状態です。


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