しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年8月21日(水)

大接戦 埼玉知事選 25日投票

「自民直轄知事」ご免

大野候補勝利へ共闘加速

 25日投開票の埼玉県知事選は、日本共産党を含む幅広い野党が支える前参院議員の大野もとひろ候補(55)=無所属新=と、安倍自公政権丸抱えのスポーツライターの青島健太氏(61)=無所属新=の事実上の一騎打ちで、一票を争う大激戦・大接戦。自民党「直轄」の県知事を阻止し、「県民のために働く」知事の実現が求められています。(埼玉県・藤中陽美)


写真

(写真)大野もとひろ候補

 知事選は、上田清司知事が引退を表明するなか、立憲民主党、国民民主党、社民党が大野氏の支持を決め、共産党も加わる「県民参加の民主県政をめざす埼玉各界連絡会(民主県政の会)」は独自候補を立てず、大野氏を自主的に支援することを決定。多くのマスコミが報じたように「与野党対決」の構図となりました。

明確な大義

 大野氏は「開かれた民主主義と立憲主義に基づき、『日本一暮らしやすい埼玉』の実現へ」と訴え、医師不足の解消や保育所・学童保育の待機児童ゼロ、中小企業への経営支援、LGBTQの権利を守ることなどを掲げています。

 一方、自民党、公明党は青島氏を推薦。県議会で単独過半数を占める自民党は、2017年12月には原発再稼働を求める意見書、18年3月には特別養護老人ホーム新設予算の凍結を求める付帯決議をそれぞれ強行可決。14年には「憲法改正案の早期作成を求める意見書」を強行して改憲をあおり、13年には教科書採択をめぐって県立高校の校長を議会に呼び出して教育現場への政治的介入をするなど、異常な暴走を続けてきました。

 共産党と「民主県政の会」は「異常な議会運営を行う県議会自民党の意のままになる県知事の誕生は許さない」「開かれた民主主義・立憲主義を守る」との大義を明確にし、大野氏の勝利のために全力をあげています。

 17日には、さいたま市のJR大宮駅前で立憲民主党の枝野幸男代表、国民民主党の玉木雄一郎代表らが大野氏の応援演説に立ち、共産党の塩川鉄也衆院議員、伊藤岳参院議員も参加しました。枝野氏らとともに応援に立った、立民会派の中村喜四郎衆院議員も「埼玉から日本の民主主義を取り戻すたたかい」と訴えるなど、共産党が掲げる大義は幅広い人たちに共有され始めています。

 県内各地では、共産党と他党の議員が協力して取り組みを進め、大野氏とともに共産党市議がマイクを握って訴える場面もあるなど、地域から市民と野党の共闘が広がっています。

「競り合い」

 マスコミの終盤の情勢調査によると、どの調査でも大野氏と青島氏の「競り合い」との表現が並んでいます。

 大激戦の情勢を反映して、青島氏陣営には菅義偉官房長官が2度応援に入り、安倍政権いいなりで大企業優遇と福祉破壊を進めてきた神奈川県の黒岩祐治、千葉県の森田健作両知事が応援に入るなど、テコ入れに必死です。菅官房長官が埼玉入りした際に、公明党の矢倉克夫参院議員は「相手は立民、国民、社民、そしてこともあろうに、共産までもが推している」と述べ、野党攻撃を強めています。

 大野氏の応援を決めた「市民が野党をつなぐ埼玉の会」共同代表の田中重仁弁護士は言います。「知事選では、野党共闘の力が試されています。自公推薦の知事を許さず、野党が推す知事が誕生すれば国政にも大きな影響を与え、今後の共闘にも弾みがつきます。本当に大野さんに勝ってほしい」


写真

(写真)大野氏(中央)の宣伝に駆け付け、奮闘を誓いあう伊藤(左)、塩川(右)の両氏=11日、さいたま市

安保法制廃止・立憲主義擁護貫く大野氏

塩川議員が紹介

 日本共産党が自主支援する大野もとひろ埼玉県知事候補について、9日の日本共産党と「民主県政の会」の合同決起集会で塩川鉄也衆院議員が語った内容(要旨)を紹介します。

 大野氏とは、野党共闘の1丁目1番地である安保法制廃止のたたかいで力を合わせてきました。

 2015年8月29日付の「しんぶん赤旗」が、大野氏の論戦を紹介しています。安倍首相が安保法制の必要性を強調するために大宣伝してきた「避難する邦人を輸送する米艦防護」の事例がまったくのごまかしであったことを論破した論戦でした。「赤旗」が大野氏の論戦をわが党の議員であるかのように取り上げていました。

 今年の通常国会で、野党は、共同で安保法制廃止法案を提出しましたが、この法案作成の実務の中心を担ったのが大野氏でした。

 知事選立候補にあたり大野氏は、野党共闘の原点である立憲主義を守り、憲法尊重擁護義務を果たすという立場を表明しています。

 これは、「民主県政の会」と日本共産党が求めていた立場をしっかりと受け止め、自らの政策に反映させたものです。

 大野氏は、野党共闘を誠実に前進させる姿勢を貫いてきました。立場、政策の違いはあります。しかし、一致点を大事にする大野知事の実現で、自民党直轄の県知事を阻止し、立憲主義を守る、民主的な県政をつくろうではありませんか。

 安倍暴走政治を終わらせ、野党連合政権の道を開くために、この県知事選挙を通じて、市民と野党の共闘を大きく前進させましょう。


pageup