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2019年8月18日(日)

主張

イージス・アショア

米国守る「盾」配備計画やめよ

 米国製の陸上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の導入をめぐり、配備候補地の秋田県では、先の参院選で選挙区の野党統一候補が勝利し、山口県でも町を挙げての反対運動が続くなど、「配備ノー」の地元の声は揺らぎがありません。防衛省は、候補地の適地調査の説明資料を事実と違うデータを用いて作成し、配備ありきの姿勢が批判を浴びてきました。それにもかかわらず、「できるだけ速やかに(導入を)実現する」(岩屋毅防衛相)とし、再調査の上、地元の説得に乗り出そうとしています。あまりにも無反省な態度です。

ハワイやグアムを防衛

 イージス・アショアの導入は、安倍晋三政権が2017年12月に閣議決定しました。当時の「中期防衛力整備計画」(14年度~18年度)には盛り込まれていなかったものの、トランプ米政権の再三にわたる要求の中で決めたものです。閣議決定に先立つ11月の日米首脳会談の際にも、トランプ大統領は「米国から多くの追加的な軍事装備品を買えば、日本は北朝鮮のミサイルを上空で簡単に撃ち落とせる」と強調していました。

 トランプ政権がイージス・アショアの導入を日本に強く求めているのはなぜか―。

 トランプ政権が今年1月に公表した新たなミサイル防衛戦略である「ミサイル防衛見直し」(MDR)は、今日の複雑なミサイルの脅威の環境下では、一刻も早くミサイル発射を探知し、できるだけ早期の段階で迎撃する必要があるとして、米国の対外有償軍事援助(FMS)を通じ、同盟国に米軍と相互運用が可能なミサイル防衛システムの導入を促す方針を明記しています。また、相互運用可能なシステムの構築が、米国の費用負担の軽減と同盟国の軍事分担の拡大につながることに触れています。

 昨年5月、米国のシンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)が発表した「太平洋の盾 巨大なイージス艦としての日本」と題する論文は、かつて中曽根康弘首相が日本を「不沈空母」にすると述べたことになぞらえ、日本へのイージス・アショア配備の有用性を次のように指摘しています。

 ▽より強力な日本のイージス・アショアのレーダーは米本国を脅かすミサイルを前方で追跡する目的を果たすことができ、それによって米国は国土防衛のために高額なレーダーを太平洋地域で建設・運用する必要が軽減される。レーダーを共有することで恐らく10億ドルもの巨額な節約ができる。

 ▽日本や北大西洋条約機構(NATO)のイージス・アショアはハワイやグアム、米東海岸といった死活的地域や戦略的な港湾・基地を防護するために使用できる。

 実際、イージス・アショアの配備候補地である陸上自衛隊の新屋演習場(秋田市)、むつみ演習場(山口県萩市、阿武町)は、北朝鮮からハワイ、グアムに向かうミサイルの軌道上に位置しています。

巡航ミサイルで攻撃も

 同論文は、イージス・アショアが迎撃ミサイルだけでなく長距離巡航ミサイルを搭載でき、発射前の北朝鮮のミサイルを地上で破壊できるとまで述べています。総額6000億円を超えるとされる巨費を投じ、米国のミサイル防衛戦略に加担する危険極まりない配備計画は撤回するしかありません。


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