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2019年8月12日(月)

きょうの潮流

 ニイニイゼミに交じってミンミンゼミが鳴きだしました。小学校の夏休みの宿題だったか、画用紙にミンミンゼミの水彩画を描いたことを思い出します▼辞書で「宿題」を引くと、家に持ち帰る学習課題のほかに、「後日に解決の残されている問題」(『広辞苑』)とも。8年前に事故を起こした東京電力福島第1原発をめぐる宿題は多く、汚染水問題もその一つ。事故収束を困難にしています▼東電が第1原発で増え続ける放射能汚染水をためるタンクが3年後に満杯になると公表しました。タンクには、高濃度の放射性物質トリチウム(3重水素)などがたまっています。国の委員会は海洋放出などの処分方法を検討しています▼しかし、地元の漁業関係者などは風評被害で漁業が壊滅的な打撃を受けるからと、海洋放出に強く反対。昨夏の公聴会でも、タンクでの長期保管を求める声が上がっていました。東電のタンク計画は2020年末までしかありません。一方で汚染水は毎日170トン増えており、いずれ満杯になるのは誰の目にも明らかでした▼東電は今回、タンク「満杯」の時期明示と合わせ、タンクでの長期保管に難色を示しました。取り出しを計画している溶け落ちた核燃料(デブリ)の保管施設など廃炉作業に必要な施設を設置できないと▼“もう限界、なんとかして”と宿題を投げ出すかのよう。しかし、委員の一人は「地元の人の生活を犠牲にして廃炉をすすめるのは、論理が破たんしている」と。国民的な議論の場が必要な問題です。


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