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2019年7月22日(月)

主張

2019年世界大会

核なき世界へ情勢を開くとき

 原水爆禁止2019年世界大会の開催が目前となりました。国際会議(広島)8月3~5日、広島大会5~6日、長崎大会7~9日の日程です。核兵器禁止条約が国連会議で採択されてから2年となる中、核兵器廃絶へむけた今後の展望を示す大会として、期待が集まっています。

重要な節目の年を前に

 来年は広島・長崎の被爆から75年です。被爆者の平均年齢は82歳を超えています。「生きているうちに核兵器の廃絶を」との願いを実現するために残された時間は多くありません。被爆者自身が深い決意で呼びかけた「ヒバクシャ国際署名」の目標達成の期限も来年です。最大規模の核軍縮交渉でもある5年に1度の核不拡散条約(NPT)再検討会議も来年開かれます。重要な節目となる年を控え、今年の大会がどのような運動を提起するのかが注目されます。

 米英仏ロ中の核保有五大国などは、「自国の安全のためには核兵器が必要だ」と主張し、核兵器を手放そうとしません。国連総会やNPT再検討会議の準備会議では、五大国は共同で禁止条約に反対する声明を発表してきました。さらに、過去に自ら合意した核兵器廃絶の誓約までもほごにしようとしています。核軍縮交渉の現場からは、来年のNPT再検討会議は容易でない、との声も聞かれます。

 これまでさまざまな困難を乗り越え、情勢を切り開いてきたのが、世論と運動であり、市民社会と諸国政府との共同の力でした。

 核兵器禁止条約も、被爆者をはじめ世界と日本の反核運動の長年にわたる努力のたまものです。アイルランドのマイケル・ヒギンズ大統領は昨年の世界大会へのメッセージで「原水爆禁止世界大会の活動は、核兵器禁止条約に至る交渉の基礎をつくりあげるのを助けてきました」と評価しました。

 05年のNPT再検討会議は、イラク戦争を始めた米ブッシュ政権の妨害で、何も決められませんでした。しかしこの年は、初めて日本から1000人以上が参加する国際共同行動が国連本部のあるニューヨークで行われ、市民社会と諸国政府との本格的な共同が始まりました。15年の同検討会議も米英などの反対で、最終文書が採択できませんでした。一方で、被爆者の訴えや700万人近くの署名が政府を突き動かし、禁止条約への流れを強く後押ししました。

 重要な局面で、決定的な役割をはたしてきたのが世論と運動です。国際的な運動を、来年へむけて発展させるために、今年の世界大会は、大きな意義があります。

 大会には、禁止条約の署名、批准を政府に求める海外の政党代表も参加する予定です。国際的な運動とともに、核保有国やその同盟国での運動にも焦点があてられるでしょう。反核運動と議員、政党、自治体が共同して、禁止条約支持の多数派をどうつくるのか、活発な議論が期待されます。

被爆国の運動の発展を

 日本がアメリカの「核の傘」に頼り、核兵器廃絶に背を向けていることは、世界的にも大きな障害となっています。その転換は、被爆国の運動の責務です。

 日本共産党は、核兵器禁止条約にサインする政府の実現を掲げて、参院選をたたかいました。今年の世界大会を大きく成功させるためにも力を尽くします。


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