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2019年7月17日(水)

武部元幹事長「日本は天皇の国」

自民候補応援 国民主権を否定

日本共産党を攻撃

 自民党の武部勤元幹事長が、北海道北見市での同党参院北海道選挙区候補を応援する集会(14日)で日本は「天皇の国」と発言したことが、国民主権をないがしろにしていると問題になっています。


 北海道新聞(15日付)などによると、武部氏は「天皇、皇后両陛下が、国民の心からの歓迎を受けて令和新時代が始まった。天皇の国といっても過言ではない日本の歴史の中で、国民に根付いている」としたうえ、日本共産党がかつて天皇出席のもとに開かれる国会開会式に欠席していたのは「日本の魂を否定する」と筋違いな攻撃を加えたといいます。

 自民党では2000年、当時の森喜朗首相が「日本は天皇を中心とする神の国」と発言し、天皇を国の中心に置くのは、国民主権を宣言した日本国憲法の立場を投げ捨てることにほかならないという批判にさらされ辞任に追い込まれました。

 武部氏の発言はこれを彷彿(ほうふつ)させる国民主権を無視した発言です。

 戦前の日本では絶対的な権力をもつ天皇が主権を握り、神格化されていました。日本は「皇国」であり、「神」である天皇がおさめ、国民は「臣民」として天皇に仕えるという皇国史観は軍国主義、侵略戦争の推進力となり、戦後の日本は主権在民を憲法に明記し、永久にこれと絶縁しました。

 天皇への態度を「日本の魂」という武部氏の発言は、戦前と戦後の区別もつかない復古的な歴史観の表出です。

 国会の開会式についていえば、日本共産党は、天皇のために高い「玉座」が設けられ「おことばを賜る」など戦前の大日本帝国憲法下の「開院式」がそのまま踏襲されている形式を改めるよう求め、その意思表示として式に欠席してきました。

 「おことば」の内容も以前は米国政府や日本政府の内外政策を賛美するなど「国政に関する権能を有しない」と明記した憲法の規定からの逸脱がみられました。

 しかし、この30年来の「おことば」ではこうした政治的発言がみられなくなり、儀礼的・形式的な発言が慣例として定着したと判断し、2016年の通常国会からは開会式に出席しつつ民主的改革を求めています。


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