しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年7月13日(土)

米の戦争に自動参戦の危険

海自護衛艦、米空母と作戦行動

 空母化が計画されている海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」と米原子力空母ロナルド・レーガンが6月、米中間の緊張が高まる南シナ海で共同訓練をしました。安保法制=戦争法を強行した自民党が参院選の公約で「自衛隊明記」の憲法9条改憲をかかげ、トランプ米大統領が「日米安保条約は不公平な合意」として、安倍自公政権にさらなる軍事分担を迫っています。米国が起こす戦争に自衛隊が参戦する危険性が現実に高まっています。(佐藤つよし)


 海上自衛隊の報道発表によると「いずも」とレーガンが南シナ海で共同訓練を実施したのは6月10~12日と19~20日の2回です。「いずも」は同型艦「かが」とともに安倍政権が短距離離陸垂直着陸型のF35Bステルス戦闘機を運用できる「空母」化を計画。陸上自衛隊部隊を輸送して強襲揚陸艦としても運用可能な海自最大の護衛艦です。

日米主力の「訓練」

 レーガンは11隻の米海軍原子力空母のうち唯一、米国外の横須賀基地(神奈川県横須賀市)に配備されています。横須賀を拠点に、インド・太平洋地域での作戦行動を実施。他国との共同展開、多国間演習、部隊レベルの訓練などの実施を目的とした今年の作戦行動のため5月22日、横須賀基地を出港しました。今回の「訓練」は、日米の主力戦闘艦による海外での共同作戦行動です。

 横須賀基地を拠点にしている米第7艦隊のニュース(6月12、23日付)によると、レーガンと「いずも」は「共通の海洋安全保障上の優先事項への対処や海上での相互運用性の強化のため」に通信能力の検証や戦闘に備えた陣形を組む訓練などを実施しました。日米それぞれのホームページには、並走するレーガンと「いずも」や、レーガン搭載のヘリが「いずも」に着艦した写真などが掲載されました。

 レーガンの艦長は「われわれが、パートナーの海上自衛隊と海で訓練し作戦した時間はきわめて貴重だった」「われわれの同盟はかつてないほど強固であり、今まさにこの地域でかつてないほどより重要になっている」(12日付ニュース)と強調しました。

米海軍の指揮下に

 6月10~12日の訓練は、米軍側が共同展開(cooperative deployment)として実施しました。共同展開は、米海軍の空母打撃群といった部隊の司令官の指揮下に、他国の艦船を組み込み、軍事作戦をするものです。共同展開中に予期せぬ武力衝突が発生すれば、米軍指揮下で自衛隊が自動的に参戦させられかねない状況が、現実に進んでいます。


pageup