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2019年7月12日(金)

自民 業界ぐるみ

ゼネコン団体“後援会入会を”

写真

(写真)自民党の佐藤信秋参院比例候補の後援会入会フォーム。ゼネコン社員らは記入欄の「所属団体」が「一般社団法人日本建設業連合会」になり、「所属グループ」には会社名を書きます

 大型公共事業を受注するゼネコンの業界団体「日本建設業連合会」(日建連)が法人会員142社に、元国土交通省事務次官で自民党参院比例候補の後援会に入会するよう呼びかけ、業界ぐるみの選挙運動を展開していることが11日、分かりました。自民党と建設業界の持ちつ持たれつの“癒着構図”が参院選で浮き彫りになった形です。

 日建連が入会を呼びかけたのは、自民党の佐藤信秋参院議員の後援会「佐藤のぶあきを後援する会・国土再生クラブ」です。本紙の取材に、日建連は「昨年12月から公示までの間に入会のお願いをさせていただいた」と認めました。

 日建連は佐藤氏を比例区の「職域代表候補」として推薦。「その動きの中で(要請文を)送らせていただいた」と説明しています。

 関係者によると、日建連の要請を受けたあるゼネコンでは社員に後援会入会を促し、営業担当者が入会したかどうかチェックしたといいます。

 佐藤氏は2006年に事務次官を退職後、07年に自民党から参院比例選挙に立候補し、当選2回です。建設会社から企業献金やパーティー券などで全面的な支援を受けて活動。自民党国土強靭(きょうじん)化推進本部(本部長・二階俊博幹事長)で筆頭副本部長を務め、東京外かく環状道路(外環道)など不要不急の大型公共事業を推進してきました。

「また6年間味方として」業界

「毎年予算増やしていく」議員

 参院選比例区に日本建設業連合会(日建連)の「職域代表候補」として立候補した自民党の佐藤信秋参院議員。大型開発中心の「社会資本整備」を公約に掲げ、業界内の集票に躍起です。

 横浜市で開かれた佐藤氏の個人演説会(8日)には建設業関連7団体の幹部が壇上に勢ぞろい。神奈川県建設業協会の小俣務会長が「また6年間、われわれの味方として頑張っていただくことをお願いしたい」と激励しました。

 「国土強靭(きょうじん)化のエキスパート」と持ち上げられた佐藤氏は、県内の建設業者ら約150人を前に「神奈川の強靭化のため、10年、15年かけての計画をしっかり作っていく。毎年2%、5%と(公共事業の)予算を増やしていく。これが大事だ」「着実に計画を実行する。そのためにも選挙で勝たないといけない」と“利益誘導”をしました。

 佐藤氏のホームページによると、選挙期間中は4日の東京・砂防会館での出陣式を皮切りに、北海道から沖縄県まで全国58カ所で演説会を開く予定です。

 国会議員としてゼネコン・建設業界の要求を代弁し、大型開発推進の旗振り役となってきたのが佐藤氏です。

 安倍自公政権は毎年、高速道路建設に2・5兆円、新幹線建設や首都圏空港の機能強化、巨大港湾整備などに約5000億円、ダム建設に約2000億円の予算を投じてきました。

 佐藤氏は2018年11月5日の参院予算委員会で、整備新幹線や高速道路建設の遅れを指摘し、「公共投資を増額していく必要がある」と主張。安倍晋三首相も「必要な予算を確保し、国土強靱化の取り組みをさらに加速化、深化させていく」と呼応しています。

 自民党は参院選政策で「防災・減災」「国土強靭化」を口実に3年間で7兆円規模の公共事業を実施することを公約に掲げています。

 (丹田智之)


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