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2019年7月10日(水)

主張

参院選と消費税

増税をやめて暮らしに安心を

 論戦が本格化する参院選では、年金や改憲とともに、今年10月からの消費税率の10%への引き上げが争点になっています。

 安倍晋三政権と与党の自民・公明は「内需は堅調」などとして、あくまでも増税方針を変えません。前回2014年4月に8%に引き上げた際、消費は大きく落ち込みました。今回、首相は「万全の対策」をとると主張しますが、何の説得力もありません。日本共産党など野党は、消費の低下など景気悪化が鮮明になる中での増税強行は論外と訴えています。安倍政権と与党への審判で、増税にストップをかけることが必要です。

大企業への減税に消える

 もともと消費税は、低所得者ほど負担が重い逆進的な税制です。1988年12月に消費税法成立が強行され、89年4月から税率3%で実施されました。今年4月で導入から30年でした。この間、税率は5%、8%へと増税されました。一方、大企業向けの法人税や富裕層向けの所得税は減税されてきました。30年間で約400兆円に上る消費税の税収のほとんどは、大企業や富裕層への減税による税収減の穴埋めに消えた計算です。消費税の導入後、貧困と格差は拡大するばかりです。

 とりわけ深刻なのは、安倍政権が14年4月に税率を8%に引き上げて以降、消費不況が続いていることです。安倍政権が15年10月に予定した10%への増税を2回延期せざるを得なかったのも、経済が改善しなかったためです。いまもその打撃から回復するどころか、実質消費支出は増税前に比べ年間25万円も減少し、労働者の実質賃金は10万円も減っています。5月の毎月勤労統計調査(9日発表)でも、5カ月連続の減少となりました。米中の貿易摩擦などで、先行き不透明感は増しています。

 景気悪化が明らかになっているもとで消費税を増税すれば、消費をいっそう冷やし、家計にも経済にも壊滅的な打撃を与えます。増税中止は待ったなしです。

 日本共産党は消費税増税の中止とともに、家計を応援し、格差と貧困をただし、だれもが希望をもってくらせる政治への切り替えを訴えています。(1)8時間働けばふつうにくらせる社会を(2)くらしを支える社会保障を(3)お金の心配なく学び、子育てができる社会を―の「三つのプラン」を示し、そのために7・5兆円を投じます。7・5兆円は消費税3%分です。消費税を8%から5%に引き下げるのと同じ家計応援の効果が出ます。

 財源は、消費税に頼らず、大企業や富裕層への優遇税制をただすほか、在日米軍への「思いやり」予算削減などで確保できます。米国製兵器の“爆買い”もやめて、くらしにお金を回すべきです。

増税前提の「対策」でなく

 安倍政権が言う、複数税率の導入、「キャッシュレス」決済のポイント還元、「プレミアム付き」商品券の発行などの対策は、制度を複雑にするだけで、家計の負担は全く軽くなりません。複数税率の導入とポイント還元によって、消費税率は5通りにもなり、混乱にいっそう拍車をかけます。

 増税前提の「対策」ではなく、増税そのものを中止すべきです。財界にきっぱりモノが言え、政治のゆがみをただすことができる日本共産党の躍進が、増税をやめさせる最大の力です。


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