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2019年7月5日(金)

尊厳をもって生きるための一票を日本共産党に

東京・新宿 志位委員長の第一声

 日本共産党の志位和夫委員長が参院選公示日の4日、東京のJR新宿駅西口で行った第一声は次の通りです。


写真

(写真)訴える志位和夫委員長=4日、東京・新宿駅西口

主権者・国民の力で、希望と安心の日本つくる選挙に

 みなさん、おはようございます(「おはようございます」の声)。日本共産党の志位和夫でございます。(拍手)

 日本の命運を分ける参議院選挙がはじまりました。この参議院選挙を、主権者である国民の力を大いに発揮して、「安倍政治サヨナラ」の審判を下し、国民の誰もが希望を持ち、安心してくらせる日本をつくる選挙にしていこうではありませんか。(拍手)

 政党を選ぶ比例代表選挙では日本共産党と書いていただく方を広げに広げて、小池晃さんをはじめ7人以上の当選を必ずかちとらせてください。(拍手)

 大激戦の首都・東京の選挙区では、吉良よし子さんの必勝のために、熱いご支援を心からお願いいたします。(拍手)

 みなさん、尊厳をもって生きるための一票を、今度の選挙ではどうか日本共産党にたくしてください。よろしくお願いいたします。(大きな拍手)

年金――7兆円の削減か、「減らない年金」にするかが大争点

いまでも貧しい年金を、さらに貧しくすることこそ、「ばかげた政策」

 年金問題が大争点に浮上しています。

 「年金の2000万円不足」が大きな問題になっていますが、問題はそれにとどまりません。「マクロ経済スライド」による給付水準の引き下げという大問題があります。

 私が、党首討論でこの制度の廃止を求めたところ、安倍晋三首相は「ばかげた政策だ」と言ってこれを拒否し、これを廃止するためには「7兆円の財源が必要だ」と言いました。これは言葉をかえて言いますと、みなさんの年金を7兆円規模で奪うことを認めた発言にほかなりません。

 これをやりますと、いま40歳以下の方は厚生年金も国民年金も月2万円、ご夫婦で4万円、減らされます。とくに国民年金は、いま満額でも月額6万5000円ですが、現在価格で3割減らされて、4万5000円になってしまいます。4万5000円で、どうしてくらしていけますか。

 党首討論で、この問題を追及しますと、安倍首相は「制度の安定」が必要だといいます。しかし、いくら制度が安定したって、国民のくらしが滅んでしまったら、何のための公的年金かということになるではありませんか。(拍手)

 いまでさえ貧しい年金を「マクロ経済スライド」でもっと貧しくしてしまう政策こそ、「ばかげた政策」ではないでしょうか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

「減らない年金」にするための三つの具体的な財源策

 日本共産党は、「マクロ経済スライド」をやめて「減らない年金」にするための具体的な財源策を示しています。

 第一に、高額所得者優遇の保険料の仕組みをただすことで1兆円の保険料収入を増やしてまいります。

 第二に、200兆円にのぼる巨額の年金積立金を、株価のつりあげに使うのではなくて、年金の給付に計画的に使わせようではありませんか。(拍手)

 第三に、働く人の賃上げと正社員化を進めて、年金の支え手を強くしてまいります。

 この三つの「合わせ技」によって「減らない年金」にすることは可能です。

 くわえて、低年金の方には年一律6万円の上乗せを行い、本当の意味での年金の底上げをやってまいります。

 みなさん、「マクロ経済スライド」で7兆円の年金を削るのか、それとも「減らない年金」にするのか、これが年金問題の最大の争点です。日本共産党への一票で、安心の年金への第一歩を踏み出そうではありませんか。(大きな拍手)

消費税10%はいまからでも止められる――税金のあり方を決めるのは主権者・国民

 消費税10%を許してもいいのかも大争点です。

 私が、党首討論で中止を求めたところ、安倍首相は「内需は堅調だから予定通りやる」と言いました。「内需が堅調」ですって。びっくりしますね。一体、日本経済のどこをみているのでしょうか。

 2014年の消費税率8%への引き上げをきっかけに、家計消費は実質で年間25万円も減りました。働く人の実質賃金は10万円も減りました。内閣府の景気動向指数は2カ月連続で「悪化」じゃないですか。日銀短観の景況感も2期連続で「悪化」じゃないですか。これだけ景気悪化の赤信号がともっているのに、増税を強行するというのは愚の骨頂ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 みなさん、いまからでも止めることができます。税金のあり方を決めるのは安倍首相ではありません。主権者である国民のみなさんです。

 みなさんの力が必要です。今度の参議院選挙で、野党を勝たせていただいて、日本共産党を伸ばしに伸ばしていただいて、10%は必ず止めようじゃありませんか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

「くらしに希望を――三つのプラン」を実行しよう

 それでは、日本共産党はどうするのか。

 いま求められているのは、家計を応援し、格差と貧困をただし、国民のみなさんの誰もがくらしの明日に希望を持ってくらすことができる政治への切り替えです。日本共産党は「くらしに希望を――三つのプラン」を掲げてこの選挙をたたかいます。

8時間働けばふつうにくらせる社会を――最低賃金を引き上げ、過労死をなくす

 第一は、8時間働けばふつうにくらせる社会をつくることです。

 中小企業への支援を抜本的に強めて、最低賃金は全国どこでもただちに時給1000円以上に引き上げ、1500円をめざし、全国一律最低賃金制を創設しようではありませんか。(「オー」という歓声、拍手)

 政府が賃金水準を決められる保育・介護・障害福祉で働く人の賃金を引き上げます。一般の労働者に比べて10万円も少ない。国の責任でまず5万円引き上げ、一般の労働者と同じにしていきます。こうしてこそ、保育士さん不足、介護士さん不足も解消されるのではないでしょうか。(拍手)

 残業代ゼロ制度を廃止し、「残業は週15時間、月45時間、年360時間まで」を法律で決め、例外なくすべての労働者に適用し、日本から過労死をなくそうではありませんか。(拍手)

くらしを支える社会保障を――国保料を引き下げ、子どもの医療費無料化を国の制度に

 第二に、くらしを支える社会保障を築いてまいります。

 国民健康保険料が高すぎます。やむなく滞納し、保険証を取り上げられ、お医者にかかれず命を落とす方が後を絶ちません。値上げなどとんでもありません。全国知事会が言っているように公費1兆円を投入して、協会けんぽ――中小企業のサラリーマン並みに大幅に値下げをしようではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 すでに全国すべての自治体で子どもの医療費の助成制度が実現しています。ところが国は医療費を無料化した自治体に対して、予算カットのペナルティーをおこなっています。やることがあべこべじゃないですか。ペナルティーをなくし、子どもの医療費の無料化を、国の制度にしていこうではありませんか。(拍手)

お金の心配なく学び、子育てのできる社会を――学費をただちに半分、無料をめざす

 第三に、お金の心配なく学び、子育てのできる社会をつくりましょう。

 すべての学生を対象に、学費をただちに半分にし、段階的に無料にします。返済不要の給付制奨学金を月3万円、70万人分からスタートしてまいります。すべての若者がお金の心配なくのびのびと学べる日本をつくっていこうではありませんか。(拍手)

 安心して子どもさんを預けられる認可保育所を30万人分増設し、待機児童を解消いたします。そして憲法26条にのっとって、学校給食を含めて義務教育の完全無償化を実現しようではありませんか。(拍手)

財源は「消費税に頼らない別の道」で――政治の姿勢を変えれば財源はつくれる

 これが日本共産党の「くらしに希望――三つのプラン」のあらましですが、いかがでしょうか。(拍手)

 「三つのプラン」を実行すると、7・5兆円の家計応援の施策となります。7・5兆円と言いますと、消費税3%分です。消費税を8%から5%に下げるのと同じ家計応援の効果が出てまいります。

 「そんなことができるのかな」とおっしゃる方もいるかもわかりません。できますよ、みなさん。消費税10%を中止し、「三つのプラン」をパッケージで実行するために必要な新たな財源は7・5兆円ですが、「消費税に頼らない別の道」でまかないます。

大企業と富裕層への優遇税制をただそう

 中小企業が払っている法人税の実質負担率は18%。ところが大企業は10%しか払っていません。優遇税制のおかげです。大もうけしている大企業には、せめて中小企業並みに払ってもらおうじゃありませんか(「そうだ」の声、拍手)。これで4兆円が出てまいります。

 それから、所得1億円超えますと、大金持ちになればなるほど、所得税の負担率が下がってしまいます。株でもうけたお金にかかる税金が軽いからです。この不公平をただし、最高税率を引き上げ、株で大もうけしている富裕層には、応分の負担をしてもらおうではありませんか(拍手)。これで3・1兆円が出てまいります。

米軍への「思いやり予算」、米軍再編予算、「武器爆買い」をやめよう

 もう一声。払う義務のない米軍への「思いやり予算」は、やめようではありませんか(拍手)。辺野古の美しい海を埋め立てている工事の予算が、日本国民の血税だっていうのは腹が立ちますね。米軍再編予算もやめようじゃありませんか(拍手)。これで4000億円、出てまいります。

 ここまででちょうど7・5兆円、出てまいりました。政治の姿勢を変えれば、財源をつくることができるんです。

 それにくわえまして、事故原因も分からないF35戦闘機に1兆円、何に使うかも分からないイージス・アショアに6000億円――トランプ大統領言いなりの高額の「武器爆買い」をやめさせ、くらしにお金をまわそうではありませんか。(歓声、大きな拍手)

財界に正面からモノの言える党が伸びることが、くらしを良くする一番の力に

 みなさん、この改革を実行するには、財界に正面からモノが言える政党が必要です。日本共産党は、党をつくって97年、財界献金をびた一文、受け取っておりません。こういう党が伸びることが、みなさんのくらしを良くする一番確かな力になるのではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 どうか、日本共産党を伸ばしに伸ばしてください(拍手)。吉良よし子さんを、必ず勝たせてください。よろしくお願いします。(拍手)

憲法――安倍9条改憲ストップ、平和への一票は日本共産党に

 憲法9条改憲の問題も、大争点です。

安倍9条改憲を許していいのか――無制限の海外での武力行使を許すな

 安倍首相は、「憲法を議論する党か、議論しない党かが争点だ」と言っています。しかし、これは争点そらしです。そこに争点があるのではありません。なぜなら自民党は公約に「早期の憲法改正を目指す」と書いているじゃないですか。

 安倍9条改憲を許していいのかどうか――ここにこそ本当の争点があるということを、私は訴えたいと思うのであります。(拍手)

 安倍9条改憲のどこが問題か。

 自民党がとりまとめた9条改憲の条文案をみれば、一目瞭然です。この条文案では、9条1項、2項の後に、こう書いている。「前条の規定は、……自衛の措置をとることを妨げない」。そして「自衛隊の保持」を明記しています。「前条の規定」は「妨げない」ということになりますと、9条2項の制約が自衛隊に及ばなくなってしまうではありませんか。2項が残っても、立ち枯れになる。死文化してしまうことになります。無制限の海外での武力の行使が可能になってしまいます。このような恐ろしい道は、断じて拒否しようではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

真の狙いは、米軍のために「血を流して」たたかう自衛隊にしていくことにある

 それではみなさん、安倍9条改憲の真の狙いはどこにあるでしょうか。

 トランプ大統領が記者会見でこう言いました。

 「もし日本が攻撃されれば私たちは日本のためにたたかう。しかし、米国が攻撃されても、日本はたたかう必要がない。変えなければいけないと安倍首相に話した」

 昨日の党首討論でも、私は問題にしましたが、実は、安倍首相もかねてから同じ主張をやっているんです。「軍事同盟とは“血の同盟”だ」とのべ、「自衛隊はアメリカが攻撃されたときに血を流すことはない」、これを変えて「日米安保条約を堂々たる双務性にしていく」。こうはっきり言っているんです。

 改憲の狙いが、はっきり見えてきたんじゃないでしょうか。世界中に展開する米軍にいったん事が起きたら、米軍のために「血を流して」たたかう自衛隊にしていく。これこそが9条改憲の真の狙いだということを私は告発したいと思うのであります。(大きな拍手)

憲法9条を生かして北東アジアに平和の共同体をつくる平和外交を

 この間、板門店で3回目の米朝首脳会談が行われ、対話によって朝鮮半島の非核化と平和体制の構築を築く動きが新たな進展を見せています。

 いま、日本がなすべきは、憲法9条を変えることではありません。憲法9条を生かして、北東アジアにASEAN(東南アジア諸国連合)のような、平和の共同体をつくる平和外交こそ求められているのではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 みなさん、世界に誇る平和憲法を守り、生かそう――平和への一票は、党をつくって97年、命がけで、一筋に、不屈に、反戦平和を貫いてきた日本共産党にどうかお寄せください。よろしくお願いいたします。(「そうだ」の声、大きな拍手)

国内外の希望ある流れを力に、ジェンダー平等・後進国から抜け出そう

 みなさん。今度の選挙は、各党に候補者を男女同数にすることを努力義務とした「政治分野における男女共同参画法」が施行されてから初めての国政選挙です。ジェンダー平等への姿勢が問われます。

ジェンダー平等は、すべての人の人権と尊厳を大切にする社会への扉を開く

 この間、性暴力やハラスメントに対して、勇気をふりしぼって声をあげる人たちが続いています。そして、そういう方々を絶対に孤立させてはならないと、#MeToo、#WithYouなどを合言葉にして、連帯する市民の運動が広がっていることは、日本の社会にとっての大きな希望ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 世界をみますと、ILO(国際労働機関)でハラスメント禁止条約が圧倒的多数で可決されるという、画期的な出来事が起こりました。これも、大きな希望ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 私は、ジェンダー平等は、すべての人の人権と尊厳を大切にする社会への扉を開くものであると思います。(拍手)

 みなさん、国内外での希望ある流れを大きな力にして、日本は今こそ、ジェンダー平等・後進国から抜け出そうじゃありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

力あわせ、誰もが尊厳をもって自分らしく生きられる社会をつくろう

 昨日の日本記者クラブ主催の党首討論会で、選択的夫婦別姓への賛否が各党党首に問われました。賛成に手をあげなかった人が1人だけいました。安倍さんです。ジェンダー平等社会をつくるためにも、安倍政権には退場してもらおうではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 日本共産党の今度の参議院選挙で、比例と選挙区あわせて40人の候補者のうち22人、55%は女性であります(拍手)。ここには、党をつくって97年、女性がまったくの無権利状態だった時代から、男女同権、両性の平等、女性差別撤廃を求めてたたかい続けてきた日本共産党の姿が示されているということをみなさんにお伝えしたいと思います(拍手)。みなさん、ご一緒に力を合わせて、誰もが尊厳をもち自分らしく生きられる。そういう社会をつくっていこうではありませんか。(拍手)

市民と野党の共闘の勝利、日本共産党の躍進で日本を変えよう

 今日は、さまざまなお話をいたしましたが、これらを実現する希望は、市民と野党の共闘にあります。

 この間、野党の党首会談を開いて、全国32の1人区のすべてで野党統一候補を実現してこの選挙をたたかっております(拍手)。市民連合のみなさんとの政策協定で、憲法、消費税、原発、沖縄などの国政の中心問題も含めて、大義ある共通の旗印を掲げてこの選挙をたたかっているということもみなさんにご報告しておきたいと思います。(拍手)

 最大限の協力でたたかいぬき、32の1人区のすべてで自民党を打ち破って、勝利をかちとるために、ありとあらゆる知恵と力をつくしてがんばりぬく決意を申し上げたいと思います。(大きな拍手)

 そしてみなさん、どうか日本共産党を躍進させてください。国民のみなさんの切実な願いを実現しようとしますと、日本の政治の「二つのゆがみ」にぶつかってまいります。「財界中心」と「アメリカいいなり」――この「二つのゆがみ」にぶつかってまいります。このゆがみの大本にメスを入れ、本当に「国民が主人公」と言える民主主義の国をつくろうということを綱領に掲げている政党が日本共産党です。この党を伸ばしてこそ、みなさんの切実な願いを実現する道が開かれるのではないでしょうか。(拍手)

 「比例は共産党」――この声を、広げに広げていただきまして、わが党が誇る小池書記局長をはじめ7人以上の勝利をかちとれるよう、どうかあなたのお力をお貸しください。(大きな拍手)

 そして、東京選挙区では、吉良よし子さん。吉良さんは、ブラック企業の規制に取り組み、社名を公表させるという、戦後、労働行政がやったことのないことをやらせた。素晴らしい働きをこの6年間でやっています。都民の声、国民の声を全身で受け止め、政治を変える素晴らしい力をもった政治家です。大激戦を必ず押し上げていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。(大きな拍手)

 以上をもって第一声とさせていただきます。今日をスタートに、私も、全国を駆け巡って勝利と躍進の先頭にたつ決意を申し上げて訴えとさせていただきます。ありがとうございます。がんばります。(歓声、大きな拍手)


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