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2019年6月22日(土)

麻生財務相・金融担当相問責決議案への大門議員の賛成討論

参院本会議

 日本共産党の大門実紀史議員が21日の参院本会議で行った麻生太郎財務相・金融担当相問責決議案に対する賛成討論の要旨は次の通りです。


写真

(写真)賛成討論に立つ大門実紀史議員=21日、参院本会議

 本決議案に賛成する最大の理由は、国民が疑問を抱き不安に思っていることでも都合の悪いことにフタをする安倍強権政治に麻生大臣が主要な役割を果たしてきたことです。森友事件での財務省の公文書改ざんなど麻生氏の責任は大きいと言わねばなりません。

 今回、金融庁のワーキンググループ(WG)が現在の年金制度の貧弱さを正直に報告したのに、麻生大臣は報告書の受け取りを拒否しました。参院選で貧しい年金制度が争点になると不利になるからではないのか。国民の不安解消より党利党略を優先するなど、断じて許されません。

 世論調査でも明らかなように、麻生大臣が「報告書」を受け取らなかったことや、「マクロ経済スライド」による給付水準の引き下げが年金不安をさらに広げています。

 安倍政権はこの7年間で、「マクロ経済スライド」を2度発動し、実質6・1%も大幅削減。直近の「公的年金の財政見通し」によれば、「マクロ経済スライド」は、現在41歳の人が受け取る年金水準は平均的高齢夫婦世帯で、30年間で約1600万円も減らされます。

 このままでは国民の老後への不安は増し、消費が抑制され経済も落ち込み、年金財政を圧迫する悪循環に陥ります。「100年安心」などと国民をごまかすのではなく、「マクロ経済スライド」を続けていいのかを含め真剣に議論すべきです。

 わが党は、志位(和夫)委員長の党首討論、小池(晃)書記局長の質問を通じ、年金制度の率直な議論を呼びかけ、「マクロ経済スライド」廃止と「減らない年金」に向けた具体的財源提案も行いましたが、安倍首相は質問にまともに答えず、「マクロ経済スライド」廃止提案を「ばかげた政策」だと言い放ちました。このままではさらに貧しくなる年金の改革方向を示すことのどこが「ばかげた政策」か。そこまで言うなら安倍政権こそ本当に安心できる年金制度を示すべきです。

 志位委員長が提案した高額所得者の保険料の上限額引き上げによる財源確保提案は、厚労省社会保障審議会の長年の課題で、そのどこがばかげているのか。

 また首相は、大企業や富裕層の応分負担で年金財政を立て直す小池書記局長の提案にも「ばかげている」と言いました。しかし研究開発減税も証券優遇税制も、政府や与党の税制調査会でも見直しの声が上がっています。それを「ばかげている」とは天につばするもの。本気で経済を心配するなら、景気後退の局面での消費税増税こそやめるべきです。

 問題のWGの「報告」の本当の狙いは何か。その議論の中心は、お年寄りの貯蓄をどうすれば死ぬまで「投資」に振りむけさせられるか、とくに繰り返し議論されたのは、認知症のお年寄りにどう「投資」させるかでした。認知症のお年寄りの資産にまで手を出すなどまともな国のやることではない。こんな方向を許す麻生大臣の責任も重大です。


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