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2019年6月8日(土)

主張

首相在職日数3位

暮らし・憲法破壊終わらせよう

 安倍晋三首相の通算在職日数が7日で2721日になり、戦前を含めると伊藤博文首相を超えて、3番目になりました(トップは戦前の桂太郎首相)。戦後で見れば、佐藤栄作首相に続き2番目です。

 もちろん明治憲法の下で首相の権限も限られていた戦前と、主権在民の戦後は単純に比較できません。それにもかかわらず、政権内からは、“長さ”を誇る声も聞こえます。しかし、貧困と格差を広げ、憲法を破壊し続けてきたのが、2700日余りの安倍政治の実態です。政治の私物化も目に余ります。このような政治を一日も早く終わらせることが必要です。

改憲実現に執念燃やす

 安倍首相は2006年9月に第1次政権を発足させ、最初から任期中の改憲を持ち出し、改憲手続き法(国民投票法)や教育基本法改悪を強行し、07年の参院選敗北後に辞任しました。その後、12年末に再び政権に復帰し、現在は第4次政権です。

 政権復帰以降は、「経済再生」が最優先だと、大胆な金融緩和、機動的な財政支出、「規制緩和」などの「アベノミクス」を前面に押し立てながら、秘密保護法、安保法制=戦争法、共謀罪法の強行など、憲法と立憲主義の破壊を重ねてきました。一昨年の憲法記念日からは、憲法9条に自衛隊を明記するなどの明文改憲に執念を燃やしています。

 首相の9条改憲の狙いは、自衛隊を海外の戦争に、公然と参加させることです。憲法9条に自衛隊を明記し、しかもその行動は「法律で定める」というのです。憲法の平和主義の大原則というべき9条2項の戦力不保持・交戦権否認の規定を空文化・死文化させ、法律さえ通せば武力行使のための海外派兵も、他国に壊滅的な打撃を与える戦力の保持も、可能にするものです。

 今回、首相在職日数を超えることになった同郷(山口県)の伊藤氏が「帝国憲法(明治憲法)」を起草したことも、首相が「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と、改憲に固執する理由の一つだと報じられています。

 しかし、国民の多数は9条改憲に反対です。改憲のスケジュールは、首相の思惑通りにはいっていません。憲法尊重擁護義務を踏みにじって改憲の旗振りをするやり方は、行き詰まっています。

 看板の「アベノミクス」も破綻があらわです。とりわけ14年4月に消費税率を8%に引き上げたことによる消費不況は深刻です。1世帯当たりの実質消費支出は増税前に比べ、年間25万円も減りました。政権復帰以来、「戦後最長の景気拡大だ」という自慢も、その偽りが明らかになっています。政府自身が景気の「悪化」を認めざるを得ない中での、10月からの消費税率の10%への引き上げの道理のなさは明白です。

参院選で「ノー」の審判

 自らの親しい人のために行政をゆがめたとされる「森友・加計」疑惑をはじめ、国政の私物化「忖度(そんたく)」政治にも、まともな反省がありません。公文書の改ざんやデータ偽装など、ウソの政治への国民の怒りと不信は消えていません。

 安倍首相が国民の声に逆らい強行してきた数々の悪政を思い起こし、市民と野党の共同を強め、参院選で厳しい審判を下そうではありませんか。


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