しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年6月7日(金)

米軍機 また学校に落下物

沖縄は戦場か

部活中断 おびえる子 海兵隊 謝罪一切なし

 沖縄県浦添市の市立浦西中学校のテニスコートで4日、部活動中の生徒らの目の前で米海兵隊普天間基地(同県宜野湾市)所属ヘリの部品落下事故が発生しました。教育現場への相次ぐ部品落下という、子どもたちの命を脅かす異常事態。もはや普天間基地の閉鎖に一刻の猶予もありません。(洞口昇幸、前田泰孝)


写真

(写真)ヘリの飛来(写真上)で避難する生徒たち(写真下)=6日、沖縄県浦添市の浦西中学校

 6日午後4時50分。浦西中の上空を普天間所属ヘリが飛行すると、顧問らが部活動を中断させ、野球部やサッカー部、テニス部の生徒が笛の合図で、一斉に駆け足で校舎の物陰などを目指して走りだし、避難しました。

 同校では当面、野外の部活動は米軍ヘリが飛来したら生徒を避難させる措置をとります。野外授業も6日まで中止し、来週10日以降は、米軍機を監視する教員1人を追加で配置させ、野外授業は再開させながら様子をみます。

 沖縄県内では2017年12月、宜野湾市の緑ケ丘保育園、普天間第二小学校に相次いで米軍の部品が落下。第二小では、児童1人が負傷しました。同小ではその後、長期にわたって校庭での体育などが禁止される事態になっています。

 そして、今度は浦西中のテニスコートへの部品落下です。さかのぼれば、2004年には沖縄国際大(宜野湾市)に米軍ヘリが墜落。教育現場が、まるで戦場のような状態に置かれています。米軍機が通過するたびに子どもたちが落下物の恐怖におびえ、野外活動が中断される環境を許していいはずがありません。

 これだけの事故を繰り返したにもかかわらず、米軍は何の反省もありません。在沖縄米海兵隊は5日、落下物は普天間所属のCH53Eヘリのブレード(羽の部分)を保護する「テープ」の一部だと認めましたが、「人身や財産に脅威を与えない」と主張。謝罪の言葉は一切ありませんでした。

 県民の命と生活を危険にさらし続け、県民の不安な思いを軽視する米軍側の姿勢は、言語道断です。

 今回の部品は、たまたま布切れのような形状で、けが人は出ませんでしたが、テープが落下する状態だったことを見逃したずさんな整備・管理体制であったことは事実です。今後、別の部品が落ちる危険性が依然としてあります。

 菅義偉官房長官は5日の記者会見で、「誠に遺憾であり、安全管理や再発防止の徹底を米側に強く求めていく」と述べましたが、飛行停止には言及しませんでした。

 政府は普天間基地の名護市辺野古への「移設」=新基地建設が「唯一の解決策」としていますが、新基地建設は大幅に遅れ、完成の展望はありません。「辺野古移設」に固執し続ければ、今後も長期にわたり、子どもたちが危険にさらされ続けます。もはや一刻も早い閉鎖・撤去しかありません。

図

pageup