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2019年6月1日(土)

大学無償化 本物は?

参院選 共産党の提案 即半減・段階的ゼロ、全学生が対象、財源 大企業優遇の是正など

安倍政権―大学等修学支援法 値上げ容認、対象者1割、財源消費税

 高すぎる大学の学費をすみやかに半分に値下げして段階的に無償化する日本共産党の提案が共感を広げています。本紙の街頭アンケート(30日)でも「学費のために1年間休学してアルバイトした友人がいる」(男子学生21歳)など切実な実態が出され、党の提案を紹介すると「ぜひ進めてほしい」と歓迎の声が相次ぎました。一方、安倍政権は今国会で大学等修学支援法が成立したことで「大学無償化」が実現したと宣伝しています。日本共産党と安倍政権、どちらが真の無償化を目指しているのでしょうか。


 日本共産党は5月22日に発表した「消費税増税の中止 くらしに希望を―三つの提案」で、若者の教育の機会を保障する立場から、「すべての学生を対象に、大学・短大・専門学校の授業料を、すみやかに半分に値下げし、段階的に無償化をはかる」ことを掲げました。

 さらに、奨学金制度について、月額3万円(年額36万円)の給付奨学金制度をつくり、全体で70万人の学生が利用できるようにすること、すべての奨学金を無利子にすることを提案しています。

 これらを実現するのに必要な財源は合計1・75兆円(表)です。

図

 日本共産党は「消費税に頼らない別の道」として、(1)大企業優遇税制を是正し、中小企業並みの負担を求める(2)富裕層優遇税制を是正する(3)日米安保条約上も負担する必要のない「思いやり予算」などの廃止―で7・5兆円の財源が確保できることを具体的に示しています。この一部を使えば、授業料半減、70万人の給付奨学金支給などを実現できるのです。

図

 安倍政権の支援法は“大学無償化の法律”といいながら、学費値下げについての言及がありません。

 柴山昌彦文科相は日本共産党の吉良よし子議員の質問に対して「新たな制度は授業料の値下げを行うものではない」(4月19日の参院本会議)と認めています。さらに、政府は、消費税増税に備えて各大学が学費値上げを計画していることを、「説明責任を果たせば」容認する姿勢を示しました。

 同法の学費減免の支援対象は約1割の学生です。

 柴山文科相は吉良議員の追及に、法律の対象になる学生数を「現状約42万人」と答弁しました(3月6日の参院予算委員会)。これは、大学、短大、専門学校などに通う全ての学生約350万人のわずか約12%にすぎません。

 そのうえ同法は、修学支援の財源に消費税10%への増税分を充てることを明記しています。消費税の増税はすべての学生・保護者に負担増になります。経済的理由で修学が困難な低所得者世帯を支援するとしながら、低所得者世帯ほど負担の重い消費税を財源とすることは矛盾します。今後支援対象者を拡大する時に、さらなる消費税増税を押し付けられる危険性があります。

 学費値上げを容認、減免はたった1割、しかも財源は低所得世帯を苦しめる消費税。安倍政権の「大学無償化」は看板に偽りありです。


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