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2019年5月25日(土)

解説

オスプレイ 道理ない木更津「暫定配備」

首都圏全域で訓練も

図

 陸上自衛隊オスプレイの「暫定配備」が狙われている陸自木更津駐屯地(千葉県木更津市)には第1ヘリコプター団などの70機が配備されており、市街地上空で旋回飛行を繰り返しています。さらに、2017年からオスプレイの整備拠点が運用され、米軍オスプレイの飛来も日常化しています。

 これに加えて自衛隊オスプレイ17機が配備されれば飛行回数は年間約3万回となり、騒音や事故の危険など同市や近隣自治体の基地負担は激増します。

 防衛省はさらに、木更津市への説明で、オスプレイの訓練が想定される演習場として、習志野(千葉県)、相馬原(群馬県)、富士(静岡県、山梨県)や房総半島南端などを列挙。横田基地(東京都)に配備されている米空軍CV22オスプレイとあわせ、首都圏がオスプレイの一大拠点になる危険があります。

 さらに、日米オスプレイの共同訓練も懸念されます。

口実破たん

 木更津への「暫定配備」には、これまでの防衛省の説明に照らしても、一片の道理もありません。オスプレイ配備の最大の口実は、長崎県佐世保市の相浦駐屯地を拠点とする「日本版海兵隊」=水陸機動団と一体に運用して九州・沖縄の「島嶼(しょ)防衛」に資するため、近隣の佐賀空港に配備するというものです。

 しかし、木更津から相浦までは約6時間かかるため、水陸機動団と日常的に訓練を行うことは困難です。また、南西諸島からも遠く、「島嶼防衛」のためという配備理由は完全に破たんしています。

 そもそも、佐賀空港の開港にあたり、県と地権者の地元漁協などが、同空港を軍事利用しないことを盛り込んだ「公害防止協定」を結んでおり、佐賀への配備自体ありえません。

 しかし、安倍政権は配備の見通しもないまま、15年度からオスプレイの導入経費を計上してきました。昨年度には製造元である米国企業からの納入も開始。すでに5機が完成したものの、米国内での“仮住まい”を余議なくされていました。

 置き場所がなく、困り果てた末の配備要請に、何の道理もありません。(竹下岳)


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