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2019年5月9日(木)

年金減額 不当明らか

大阪地裁 全国初の証人尋問

 年金の引き下げは憲法違反だとして奈良県の年金受給者29人が国を相手に争う訴訟の第15回口頭弁論が8日、大阪地裁であり、全国の年金訴訟(原告5279人)の中で初めて証人尋問が行われました。証言は法的に採用、記録されます。

 原告や労働者、医療関係者、学者ら11人が尋問に答え、国民の生活実態が悪化する中での年金減額の不当性を明らかにしました。

 社会保障の専門家として唐鎌直義立命館大学特任教授と井上英夫金沢大学名誉教授も尋問されました。

 井上氏は、最高裁で120人が参加した研究会での講師経験を問われ「判事たちは強い人権感覚と司法の独立意識をもっていると感じた」と述べました。壇上に並ぶ3人の裁判官に対して「世界の人権と社会保障の発展を踏まえた視点が必要だ。現場に行って判断することが大事だが多忙で難しい現状では、今日の証言を聞き想像力を働かせて判決を書いてほしい」と語りました。

 唐鎌氏は政府統計資料にもとづいて、税・社会保険料の負担増や、食品・保健医療・光熱関係の価格上昇による高齢者の貧困の増大を詳述。「政府は自らの資料をもとに高齢者の生活実態を把握した上で年金額の決定を慎重にするべきだった。厳しい状況を知っていて切り下げたとしたら、血も涙もない施策だ」と述べました。


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