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2019年5月3日(金)

主張

2019年憲法記念日

改憲阻み、守り生かす決意の日

 1947年5月3日の施行から72年の憲法記念日を迎えました。安倍晋三首相による憲法9条に自衛隊を書き込むなどの異常な改憲策動が続くなか、その企てを阻止し、憲法を守り生かす決意を新たにする日です。有明・東京臨海防災公園での「5・3憲法集会2019」をはじめ各地の催しを成功させ、3000万人署名や「九条の会」の活動を広げに広げ、7月の参院選で安倍政権と改憲与党に審判を下し、安倍政権もろとも改憲策動を葬り去りましょう。

憲法前文に初心と魂

 憲法記念日を前に、東京都内の映画館で、俳優の渡辺美佐子さんが出演する映画「誰がために憲法はある」を見ました。コメディアンの松元ヒロさんが20年以上続けている一人語り「憲法くん」を、渡辺さんが演じるドキュメンタリーです。渡辺さんは、30年以上、原爆朗読劇を続けてきたベテラン女優陣とともに、初恋の人を広島への原爆投下で失ったことへの鎮魂と、平和への思いを語ります。

 「わたしというのは、戦争が終わった後、こんなに恐ろしくて悲しいことは、二度とあってはならない、という思いから生まれた、理想だったのではありませんか」「わたしの初心、わたしの魂は、憲法の前文に書かれています」

 渡辺さん演じる「憲法くん」がこう言った後、りんとした口調で読み上げる憲法前文には、思わず、背筋を伸ばされる思いがします。

 「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する(以下略)」

 国民主権と基本的人権の尊重、恒久平和主義を原則とする日本国憲法は、広島・長崎への原爆投下を含むアジア・太平洋戦争で、日本だけでも310万人以上、アジア諸国では2000万人以上の尊い人命が失われた反省から、戦後の46年11月に公布、翌47年5月に発効・施行されたものです。“占領下での押し付け”憲法などと言われながら、一度も改正されなかったのは、主権者・国民が、その必要を感じなかったからです。

 日本国憲法の下で、日本は海外で一人の外国人も殺さず、一人の自衛隊員も殺されませんでした。最近の共同通信の調査でも、日本が武力行使をしなかったのは憲法9条があったからだが67%、9条を改正する「必要がない」が47%と、多数となっています(「東京」4月11日付など)。国民に定着し、国民が改憲を望んでもいないのに、改憲を押し通そうという安倍首相のたくらみは、文字通りの立憲主義破壊です。

「憲法くん」の思いに応え

 安倍首相が狙うように9条に自衛隊を書き込めば、9条の戦力不保持・交戦権否認の規定が空文化・死文化し、自衛隊が大手を振って、海外での戦争に参加することになります。憲法の初心と魂が、失われてはなりません。

 「わたしたちは、世界でいちばん、強くて素晴らしい武器をもっている」との「憲法くん」の思いに応えるためにも、安倍改憲阻止の世論と運動を広げましょう。


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