しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年5月1日(水)

自民・憲法「改正」宣伝物

幹事長名で活用を要求

「参院選で重要」と執念

 自民党は2月に作成した「憲法改正ビラ」など改憲を進める宣伝物を、あらためて活用するよう求めて二階俊博幹事長らの名前で同党所属の国会議員に通知文書を出したことが30日、分かりました。通知では「夏の参議院選挙は、憲法改正という観点からも非常に重要な選挙」だと強調。参院選を通じて9条改憲を進めるという強い意志を示しています。


写真

 通知は10連休前の4月26日に出されたもの。二階幹事長と同党憲法改正推進本部長の下村博文元文科相の連名になっています。「参議院選挙に勝利し、立党以来の党是である憲法改正を成し遂げるためにも、国民の皆様に憲法改正についての理解を深めて頂く」として改憲宣伝物の積極的活用を求めています。

 同党は2月に改憲条文のイメージを記した「たたき台素案」の内容を説明したビラと、一問一答形式の「Q&A」資料を作成し、国会議員らに活用を要請。このときは同党憲法改正推進本部事務局からの要請でした。今回は幹事長と同本部長名での通知になっており、より強く活用を指示した形です。

 自民党が公表している素案は(1)9条への自衛隊の明記(2)緊急事態条項の導入(3)参議院の合区解消(4)教育の充実―の4項目です。同党の「Q&A」は9条改憲について「これまでの憲法解釈についても全く変えることなく」と説明しています。しかし戦力不保持と交戦権の否認を明記した憲法に自衛隊を書き込めば、9条の空文化につながります。この結果、自衛隊は海外での武力行使が無制限になります。

 安倍晋三首相は昨年、憲法審査会で素案をもとに同党案を提示しようと画策したものの失敗。今年に入って、全国にある衆院小選挙区支部のすべてに「憲法改正推進本部」の設置を急ぐよう所属国会議員に指示するなど、急速に巻き返しを図っています。


pageup