しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年4月17日(水)

主張

「返還」合意23年

普天間基地は無条件撤去こそ

 日米両政府が1996年4月に沖縄県の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)の「全面返還」で合意してから23年がたちます。「世界一危険」(2003年、当時のラムズフェルド米国防長官)とされながら、いまだその返還が実現しないのは、沖縄県民が強く反対する「県内移設」が条件にされているためです。それは、ほぼ四半世紀にわたる歴史が証明しています。それにもかかわらず安倍晋三政権は強権を振るい、普天間基地に代わる新基地建設を同県名護市辺野古で強行しています。しかし、その行き詰まりも今や明白です。

新基地反対の民意は明確

 96年4月12日、当時の橋本龍太郎首相とモンデール駐日米大使は記者会見で、普天間基地の「5年ないし7年以内の返還」で合意したことを明らかにしました。しかし、これは、当初から普天間基地の「県内移設」が条件とされました。

 会見3日後の15日、日米両政府が設置した「沖縄に関する特別行動委員会」(SACO)の「中間報告」が発表されます。同報告は「今後5~7年以内に、十分な代替施設が完成した後、普天間飛行場を返還する」とし、そのために「沖縄県における他の米軍の施設及び区域におけるヘリポートの建設」を打ち出しました。

 この時、「ヘリポート」とされていた「代替施設」はその後、大きく変貌します。現在計画されているのは、辺野古の海を埋め立て、2本のV字形滑走路や弾薬搭載区域、強襲揚陸艦が接岸できる岸壁などを備えた巨大基地建設です。

 安倍政権は強権発動を重ね、なりふり構わず新基地建設を推進しようとしています。しかし、それは県民の怒りを一層かきたてています。昨年9月の県知事選で新基地反対を掲げる「オール沖縄」の玉城デニー氏が圧勝し、今年2月の辺野古埋め立ての是非を問う県民投票では反対が7割を超えました。沖縄の民意は揺らぎません。

 安倍政権は今月5日、国民の権利・利益の救済を目的にした行政不服審査法を乱用し、辺野古の埋め立て承認を撤回した沖縄県の処分を不当にも取り消しました。

 県は、撤回理由として埋め立て海域で軟弱地盤の存在が判明し、「新基地建設による普天間飛行場からの移駐は早期にはなし得ない」と主張していました。安倍政権は地盤改良工事を実施すれば埋め立ては可能と強弁するものの、県の「改良工事自体に途方もなく長い年数を要する」との反論に工期さえ示すことができません。

 しかも、改良工事はデニー知事の承認が必要です。「辺野古埋め立て反対の民意に添い、全身全霊で県民の思いに応える」という知事が承認するはずがありません。

沖縄補選でヤラ氏勝利を

 23年前の普天間基地「返還」合意は、95年の米兵による少女暴行事件で県民の怒りが沸騰したことが背景にありました。しかし、今月13日に北谷町で女性殺害事件が発生するなど、基地あるがゆえの事件・事故は今なお絶えません。

 普天間基地は、沖縄戦のさなか、米軍が国際法に違反して県民の土地を一方的に接収して建設したものであり、無条件閉鎖・撤去が当然です。そうした県民の思いを実現するため、大激戦の衆院沖縄3区補選(21日投票)で、「オール沖縄」のヤラともひろ候補の勝利がどうしても必要です。


pageup